大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
日常生活でスタッフが感じたことや、弊社のサービスの紹介をしていきます。
3年半ほど前にこのスタッフブログで、自分をかっちょよくしてくれるからバイクに乗るのだ!という自分勝手な話を書かせて頂きましたが、、、最近またバイクに乗りないなぁと思い、雑誌を読んだり、バイク屋さんを覗いたりしていて、「ヤマハのSR」イイかも!と思っていたところ…なんと『ヤマハが生産終了を相次いで発表 40年のロングセラー車種も』
こんな記事を目にし、SRの生産終了も掲載されていました。
「なぜ!?」と思い少し調べてみると、平成28年に改定された新しい排ガス規制が要因のようで、この規制により各メーカーの様々な車両が上記の新しい規制に対応できず生産終了となってしまっているようです。ヤマハさんの車両も例外ではなく、生産終了という判断を余儀なくされてしまったのでしょうか。(SRについては、新しい規制に対応するための新車両を開発中?というような記事をみかけたりもしましたが、どうなるのでしょう…)
バイクに乗られる方はご存知の方も多いかと思いますが、SRはメーカーさんの熱き思いが詰まったとても歴史のあるバイクで、多くのライダーたちに愛されてきたバイクです(と勝手に思っています…笑)。1978年に誕生し、約40年の歴史を持つ名車。2008年にも排ガス規制強化の煽りを受けて一度生産終了になるも、企業努力により規制に適合する新モデルが開発されて復活する。現在は「レトロ、なのに新しい」というコンセプトのもと、最新性能を搭載しつつ、長い歴史から醸し出されるレトロ感も維持した素晴らしいバイクなのです。
YAMAHAホームページより
上:SR400特徴紹介(https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/sr400/feature.html)
下:SR400開発ストーリー(https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/sr400/story.html)
そんなSRが再び生産終了の危機に瀕することになった新しい排ガス規定がどんなものなのか調べてみると、欧州に合わせて日本の規制も厳しくし、以下のような内容を満たさないといけなくなったようです。
・環境に悪い物質の排出をおおよそ半分に
・燃料蒸発ガス対策と、OBD(車載式故障 診断システム)の搭載義務化
・ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の 搭載の義務化
参考元:http://kojintekibikematome.blog.jp/archives/60722233.html
環境省資料:https://www.env.go.jp/council/07air-noise/y072-54/mat%2002.pdf/02%20%E8%B3%87%E6%96%9954-2.pdf
なんと2020年には、またさらに厳しい基準となるようで、各メーカーさんはそれを見据えて2020年の規制にまで対応できるモデルを開発するのか、直近の新しい規制に対応するモデル開発に留めるのか、生産終了とするのか…どの車種をどう判断するのか、企業として非常に困難な状況にあるのだろうと感じます。
実は、そこで道を踏み外す可能性を減らすためにリサーチが活躍(力を入れるべき車種を選択するための示唆をご提供)するのかなと思ったりすると、生活者の声をしっかりと届けるという我々の仕事は、企業にとっても、生活者にとっても、とても重要な役割を果たすのだろうなと改めて実感しました。
個人的には、SRが復活するようヤマハさんの企業努力に期待を寄せるところであります!
(今井)
先日、母校で大学生にリサーチ話をする機会に恵まれました。なんでも「社会思想史」という講義の一コマで、自由に話をさせてもらえるという。もちろん私は社会思想史なんて語れませんが、声をかけてくれた先生曰く「社会思想史とは社会という捉えどころのないものに対し、先人たちはどのような解釈を試みてきたのか、その歴史を学ぶ授業である。その番外編として、同じく捉えどころのない市場というものを、リサーチを通してどのように捉えているのか、それを話してもらえたらOKである」と。なるほどー。
大学生を相手に話をするのは初めてで、面白そうだなと思う一方で、はて、なにを話そうか。聞くと1~2回生が中心で毎回300人程度が受講する講義だとのこと。何を隠そう私も社会学部出身で、まさに後輩たち。一期一会、できるだけ有意義な時間にしたい。そこで、講義のヒントを得るために社会学部卒の同級生3人にアンケートをとりました。
Q:あなたは社会学部を卒業しました。ところで社会学ってなんですか?
3人から返ってきた答えは…
A:「人」と「コミュニティ」を考える学問。なんか知らんけどその言葉が思い浮かんだわ。それ以上は語れへんけどな、あははー。(←笑い飛ばす潔さが気持ちいいです)
A:難しいね。社会全般を見る学問って答えるかな。あとは自分でググって。(←わからないことは素直にググる。ある意味最強の解決策ではあります)
A:まあ人生そのものみたいな感じやな。(←一見深そうですが、わかって言っているのではなく、考えることを放棄した結果だと思われます)
あかん、これはあかん。
ちなみに母校の名誉のために付け加えておきますが、あくまで私の周囲が(自分も含めてですが)勉学に励んだものが少なかったのだと思われます。そういえば就活の前になって社学生が集い「他の学部の奴らは自分の専門領域の話できるのに、なぜか俺達はできん!」と、自分たちの努力不足を棚に上げ、ただただ学部のせいにしてほざいていた事を懐かしく思い出します(繰り返しますが、私の周りだけだと信じたいです)。でも、社会学って確かに概念的というか、それこそ捉どころのない学問な気もします。卒業生ですらこんな感じだし、ましてや1回生たるや。そこで伝えたいテーマを「社会学とは?社会思想史を学ぶ意義とは?」と、生意気にも大きなところに置いてみました。とはいえ、話す内容はあくまでリサーチ(しか話せないし!)。それを通して、あとは聞き手に想像力豊かに感じ取ってもらうという、果てしなく他力本願な戦術です。
さて当日。
学生時代に社会学部の建物で撮った写真を投影し、自己紹介からスタートです。
※実際に使った写真ですが、写るんです撮影したと思われる一枚。後ろの掲示板の張り紙等含め、いろいろと時代を感じさせます。
そんなこんなでお話をさせてもらいました。そして最後に出席確認がてら、講義の感想文を書くのがいつものお決まりだそうです。そこで後日その感想を見せてもらいました。
さてさてワカモノはどう感じたのかな、と少しドキドキしながら見たのですが、そこに書かれていたコメントが本当に嬉しかった。リサーチについての感想ももちろん嬉しいですが、「なんとなく社学に入ってきたものの、これって何の役に立つんだろうと悶々としていたけど、そのヒントを掴めた気がする」って内容のメッセージが嬉しくて。「今後社会学をもっと学んでみたいと思った」ってコメントが嬉しくて。他力本願戦術、受け手の優秀さで何とかなりました。
個人的には、すぐ身に付けることができて、すぐに役立つスキルや知識は、すぐに役立たなくなるもんだと思います。そして、大学ではすぐには役立たないけれど、大学生の今だからこそじっくりと身に着けたい、それこそ思想や哲学といった、考え方の土台を学ぶことが大切だと思います。(←学生時代はもちろんこんなこと考えていませんでした。後悔先に立たず。)
今回の機会を通して、そんなことを少しでも伝えることができたならば幸せです。そして、たくさんの感想文を通して、学生の感受性というか、いろいろと勉強になるフィードバックを貰うことができて、それは私にとってとてもありがたいことでした。またノートをとる代わりにスマホで撮影というシーンであったり、講義中の学生の姿もいろいろ興味深く、改めていい経験をさせてもらったなと思う次第です。
さらになぜか自分自身も社会学を勉強してみたくなり、社会思想史の本を読み出すという、よくわからない現象も起きており、この意識変容についてはもう少し内省して理由を探索してみようと思うのでした。
(安部)