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大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
日常生活でスタッフが感じたことや、弊社のサービスの紹介をしていきます。

リアル空間を共有する価値(山本)2024年12月27日 金曜日

昔、「進ぬ!電波少年」(「進め」ではなく「進ぬ」です)というバラエティ番組のなかで、「人は懸賞生活だけで生きていけるか」という企画がありました。
芸人がワンルームの部屋に文字通り裸一貫で閉じ込められて、室内で懸賞に応募しまくり当選した商品だけで生活する、というもので、食料から衣服、寝具などの生活用品を少しずつ入手していって人間らしい生活を取り戻していく、というドキュメンタリーの要素で人気を博しました。
生活必需品が手に入らずに段々と荒んでいく様子を24時間固定カメラでとらえて、それを面白おかしく編集するという、今のコンプラ過剰時代にはとても放送できない内容だった気がします。

思うに食料や日用品という物理的なモノの欠乏状態が、人間の生活・気持ちの持ちように影響を与えるか、というのが企画のポイントだったのでしょうが、実はもっときつかったのは、人とのリアルなコミュニケーションが強制的にシャットダウンされた事です。
前世紀末の当時では、リアルなコミュニケーションを取って生活をすることが普通だったから、人と会話、コミュニケーションを交わせないことが人をどれだけ荒廃させるのか、ということを赤裸々に「見える化」された例だと、今になって思います。

翻って四半世紀後の現在、数ヶ月間リアルなコミュニケーションを取らずとも、人は普通に生活できます。
前述したバラエティ放送当時には一般的でなかったAmazonを始めとするネット通販、ウーバーイーツで事足りるし、何なら各種サブスクに登録しておけば、注文さえせずに生活必需品が手に届く。
仕事や勉強も人を介さず、ワークチャットやネット講義でスムーズにインプット/アウトプットが可能。
ヴァーチャル空間でゲームや映画、イベントを楽しみ、そこでの会話を楽しむ。
今後、AI・機械がヒトの協業パートナーとして生活に組み込まれていくことで、さらにこの傾向は続くのは自明の理です。

ネット上のデジタル変換された信号のやり取りが、日常のコミュニケーションとして当たり前となると、これまでのコミュニティの概念も大きく変わる事になります。ヴァーチャルな空間こそがメインの活動の場となり、そこで提供される価値がベースとなって行きます。

そんな時代変化・技術変革があるからこそ必要なのは「空間・コミュニティ」における情緒的要素になるのではないでしょうか。

空間・場に意味性を持たせる「プレイス・マーケティング」という概念があります。プレイスというのは物理的な「立地」だけでなく、思考・生産・消費の「活動現場」、場とヒトとの精神的・観念的関係性を含む「場所の感覚」の3つの要素が重なって意味を成す空間のことです。
3つ目の要素「場所の感覚=センス・オブ・プレイス」が肝要で、その場を共有する人がいかにその空間に情緒的な価値を見出すことができるかということになります。
この場合の「場」はリアルな空間に限りません。メタバース領域でもその場にいることの意味性を持たせれば、そこは人々にとって価値を生み出すプレイスとなりえます。例えばリアルな渋谷の街とメタバース上のSHIBUYAを行き来させて、複合的に新たな消費・コミュニケーション価値を生み出す試み、いわゆるデジタルツインの流れも始まっているとのことです。

一方で先祖返りではないですが、バーチャルとリアル空間の境目が限りなく薄れていくからこそ、一周まわって「リアル空間でないと得られない価値」を突き詰めていくことも、今後のプレイス・マーケティングの在り方ではないかと思います。
改めてコミュニティにおけるコミュニケーションの価値とは何なのか、その価値を言い当てて商品・サービスに変換することこそが、AIや機械的な探索だけでは抽出しきれない、ヒト主導のマーケティング・ドライブではないか。
物理的な利便性・アクセス性は際限なく高まろうとも、その先にある精神的な価値がリアルな場と紐づくのであれば、デジタル空間とアナログな活動・思考が互いを排他するのではなく、クロスオーバーしてより価値のある空間消費ステージが生まれる未来が生まれるのではないかと思います。

山本

AIとヒューマンワーク(山本)2023年4月27日 木曜日

ここ最近、ChatGPTの一般公開・活用によるワーク環境の革新性(と脅威)が取り沙汰されています。
ChatGPTの活用拡大によって、ビジネスにおける多くの領域の効率化・リッチ化が図れるとともに、データの安全性・信憑性・倫理性が担保できないことから、利用制限や開発自体のペンディングを求める声も少なくありません。

ネット環境の一般化・技術向上により、ルーティンワークの大部分がChatGPTに代表されるAI技術に取って代わる事になるとは、元々言われてきたことです。ここ10数年の間でみても、コールセンターや各種の窓口業務の一部はすでにITで自動化されたシステムで処理されています。

私が「AIでは対応できない、すなわちこれからのビジネスパーソンとして生き残るための必須能力」として考えていたのは以下の4つでした。

①「課題設定力」
膨大なデータバンクに対して、そもそも解決すべき事柄が何なのかを設定、指示する能力

 

②「アイデア創出力」
事業、商品はもちろん、人間の営み全てにおけるアップデートを「アイデア」とした場合、その創出において人間の持つ創造性・情緒的な感性が必要とされる、その能力

 

③「編集力」
得られた有象無象のデータを取捨選択して、それぞれを有機的に結びつけることで、情報の受動者にその内容を過不足なく、伝わりやすい形式(ストーリー化、起承転結・・・)でまとめ上げる能力

 

④「判断・決断力」
まとめ上げられたデータを元に、その時々の環境に応じて、ビジネス的な判断を下す能力

当然ながらAIの技術革新のスピード・精度アップは想像以上であり、上記に掲げた4つの能力のうち、「アイデア創出力」「編集力」については、すでにAIを用いることである程度は代替できるようになっているのでは、と思います。

「アイデア創出力」の分野においては、人間の感性や創造力がモノを言う分野であり、AIでは対応できないものとされていました。
ただ昨今は各シンクタンク、エージェンシーでAIを用いたアイデア創出ソフトを活用していると聞いております。
そもそもアイデアが全くのゼロから生み出されるのであればともかく、実際にはジェームズ・ヤングが唱えるところの「アイデアとは既出の要素の新しい組合せである」という事であれば、それこそAIによって、様々な事象を意味性のあるつながり・組合せにして、それらを無限に生成することができます。

また編集能力についても、いまではChatGPTにお題を放り込むだけで、ストーリー性を担保したアウトプットが出来上がります。
これまでのように、データを集めて自分でストーリーを作らなくても、ある程度のアウトプットは瞬時に出来上がります。
小学生は夏休みに課題書を読まなくても、独自のワードを入れることで、読書感想文を簡単に作れるということです。

上記を例えるなら、これまでは富士山登山に麓からあくせく歩いていたのを、5合目までのベースはショートカットして車で上ることが可能になった、ということになります。もちろん山頂までのゴールは自らの足で到達する(人間としての感性)ということだと思います。

となると、ビジネスパーソンが対AIとして自らのヒューマンとしてのアイデンティティを発揮できるのは、「課題設定力」「判断・決断力」、つまりビジネス上のワークフローにおいて、入口と出口に該当するステップではないか。
この2つに共通しているのは、人間の経験に基づく洞察や知見、感情・感性が欠かせないということです。
何をインプットするか、アウトプットとして出てきた結果についてどう判断するか。
この感覚のアップデートと経験の積み重ねが肝要であり、それらは仕事上で与えられるものだけではなく、生きるうえでの様々なシーンで自らに課していくことが必要ですね。

今後さらにディープラーニングが多層的に進化して、「課題設定力」「判断・決断力」領域までも対応可能という時代が来るとすれば、それこそ人間がAIに使われる世界の到来、ということになります。
P・K・ディックが「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」で50年前に問題提起していたように、「ヒューマンアイデンティティ喪失・再生」という既存の倫理・概念を覆す新たなステージですね。
そんな時代にどう生きていくのか、はそれこそ想像もつかない世界です。

(山本)

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