大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
日常生活でスタッフが感じたことや、弊社のサービスの紹介をしていきます。
■注目されるZ世代
Z世代は、新しい価値観を持ち、消費行動やメディア接触行動、働き方、暮らし方がこれまでの世代とは大きく異なるとされています。だからこそマーケティングに携わる人たちは、その価値観を研究しているわけですね。
組織運営においても「戸惑い」が多いと言われています。マネジメント層からすると、Z世代の行動や発言の意図が理解できず、時に拒絶したり、「好きにせーや」と距離をおいたり…。
■価値観の多様化はZ世代だけではない
会社組織の現役世代でいうと、20代から60代まで幅広いです。Z世代だけでなく、実はその他の世代でも価値観は異なるだろうし、同じ世代でも価値観は人それぞれ。ギャップは至る所にあると思われます。
■価値観の多様化そのものに価値がある
人間が元来持つ特性として、自分とは違う他者を「面倒くさい奴」と思いがちです。しかし、自分とは違う他者は、自分が見逃していたものや、自分が感じてこなかった喜び・痛みに気づかせてくれます。つまり、私たちの認識や感性を広げてくれます。その意味で多様性にはそれ自体価値があると言えるのではないでしょうか。
でも、その価値を理解したうえで、有意義に活用するのはなかなか難しい…。
人は、異質な他者を「話のわからない奴」として排除しまいがちですものね。
若い人も中堅もシニアも。本当はどこに正解があるかなんて、誰にも分からないのに…。
■人間が持つ「思考の枠」が邪魔をしている
そもそも人間はみんな「思考の枠」が狭いのではないかと考えています。平たく言うと、自分の考えが正しいと思いがち。だから自分とは異なる他者の価値観に基づいた行動や発言を受け入れるのにストレスがかかってしまう…。
■「思考の枠」の解放
では、この「思考の枠」はどうやれば解放されるのでしょうか?
これまでの私の経験では、「思考の枠」解放の発達段階には、以下があるように思います。
====================================
①自分の「思考の枠」が狭いことに気付いていない段階
②自分の「思考の枠」が狭いことには気付いてはいるが、
どうにもできない段階
③「思考の枠」を拡げようと努力をしている段階
④「思考の枠」から解放された段階
====================================
ちょっと切り口は違いますが、書物「なぜ人と組織は変われないのか」によると、人間の知性には3段階があるとされています。
「④「思考の枠」から解放された段階」というのは、自己変容型知性を手に入れた人に近いと思います。
最終の自己変容型知性まで達すると、「思考の枠」から解放され、
====================================
自分は現時点では、これが『正解だ』と思っているが、
これは確定的なものではない。
明日変わっているかもしれない。
何が『正解』かを常に探求していこう。
====================================
というマインドになれるのではないでしょうか。
まだまだだな…、と反省しつつ、成長していきたいです。
立田
最近、新規事業開発にまつわるお仕事のご依頼を頂くことが増えた。これまで既存事業の新商品・サービス開発に関するリサーチには数多く携わらせていただいているが、新規事業開発となると格段に難易度が上がるように感じている。一体何が違うのだろうか…。
■そもそも新規事業開発とは
とある書籍では、新規事業とは「既存事業とは異なる事業内容や事業形態の事業」と言い、「市場、技術、製品・サービスについて、企業にとって新しい部分や未知の部分が多くあり、それらを企業が学習しなければならない事業」という見方がされている。企業内に蓄積された過去の経験や知識があまり役に立たないので、試行錯誤をして知識を蓄積しなければならない。だから、新規事業を成功させるのは至難の業なのだろう。
■新規事業開発はなぜ必要?
「商品・サービス」には、プロダクトライフサイクルがあり、いつかは衰退期を迎える。なので、企業は新商品・サービス開発が必要となる。商品・サービスを束ねた「事業」でも同じことが言えるのだろう。世の中の課題の変化、テクノロジーの変化、法令の変化、競合の変化の中で、どこかでイノベーションが起こり、特定の「既存事業」はいずれ衰退する可能性がある。企業を存続させるためには、新規事業開発は避けて通れない道なのだろう。
■既存事業と新規事業における新商品・サービス開発の共通項
既存事業であろうが新規事業であろうが、新商品・サービス開発において、STPが重要であることに変わりはなさそう。少し具体の話に落とすと、ターゲット顧客の課題を特定し、その中でもより重要な課題を見つけ出す(課題の質をあげる)ことが根幹であることは共通であろう。このPhaseで求められるリサーチの手法も一緒だという気がする。
一方、何件か新事業開発のお仕事に携わらせていただく中で、実はその前後に大きな違いがあるのでは? という事に気づかされた。
●主要な検討テーマ/キーワード(立田私見)
■新規事業開発ならではの視点
①考案された事業コンセプトを実現するための技術調査が重要
最初に行うことは、対象マーケットにおける先行商品・サービスをリストアップし、それぞれの提供価値を理解することになるだろう(これは既存事業の新商品・サービス開発でも同じ)。盗めるモノは盗み、とは言え同じことをするのでは意味がないので差別化ポイントを念入りに考えるために行われる。
加えて、新規事業開発では先行商品・サービスを可能としている技術要素も調べておく必要がありそう(技術調査)。なぜかというと、既存事業における新商品・サービス開発であれば、社内技術である程度適応可能であっても、新規事業となると社内技術だけでは賄えないケースもある。その場合、新たに自社で技術開発するか、外部から調達しなければならない。それを判断するために技術調査が必要となる。
これまで弊社では、ニーズ調査が中心であったが、新規事業開発に携わる以上は「シーズ調査」も必要になりそうだ。
②対象マーケットの業界構造やビジネスモデルに対する知見が重要
既存事業ではバリューチェーンはある程度同一範囲内にあるように思う。しかし、新規事業となると調達も販売も新しいルートが必要となる可能性があるし、収益のあげ先(つまり顧客)も新規に開発しないといけないケースが考えられる。これらを構築していくためには、幅広い知見が必要であることは間違いない。
これまで数多くの新商品・サービス開発のリサーチに携わらせていただいたが、新規事業開発のプロジェクトになると、まだまだ分からないことばかりだと感じる。クライアントの皆さまに寄り添うためには、更に視界を拡げる必要性を再認識した次第である。
(立田)