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大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
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大学生と社会学とリサーチと(安部)2017年7月3日 月曜日

先日、母校で大学生にリサーチ話をする機会に恵まれました。なんでも「社会思想史」という講義の一コマで、自由に話をさせてもらえるという。もちろん私は社会思想史なんて語れませんが、声をかけてくれた先生曰く「社会思想史とは社会という捉えどころのないものに対し、先人たちはどのような解釈を試みてきたのか、その歴史を学ぶ授業である。その番外編として、同じく捉えどころのない市場というものを、リサーチを通してどのように捉えているのか、それを話してもらえたらOKである」と。なるほどー。

 

大学生を相手に話をするのは初めてで、面白そうだなと思う一方で、はて、なにを話そうか。聞くと1~2回生が中心で毎回300人程度が受講する講義だとのこと。何を隠そう私も社会学部出身で、まさに後輩たち。一期一会、できるだけ有意義な時間にしたい。そこで、講義のヒントを得るために社会学部卒の同級生3人にアンケートをとりました。

 

Q:あなたは社会学部を卒業しました。ところで社会学ってなんですか?

3人から返ってきた答えは…

 

A:「人」と「コミュニティ」を考える学問。なんか知らんけどその言葉が思い浮かんだわ。それ以上は語れへんけどな、あははー。(←笑い飛ばす潔さが気持ちいいです)

 

A:難しいね。社会全般を見る学問って答えるかな。あとは自分でググって。(←わからないことは素直にググる。ある意味最強の解決策ではあります)

 

A:まあ人生そのものみたいな感じやな。(←一見深そうですが、わかって言っているのではなく、考えることを放棄した結果だと思われます)

 

あかん、これはあかん。

ちなみに母校の名誉のために付け加えておきますが、あくまで私の周囲が(自分も含めてですが)勉学に励んだものが少なかったのだと思われます。そういえば就活の前になって社学生が集い「他の学部の奴らは自分の専門領域の話できるのに、なぜか俺達はできん!」と、自分たちの努力不足を棚に上げ、ただただ学部のせいにしてほざいていた事を懐かしく思い出します(繰り返しますが、私の周りだけだと信じたいです)。でも、社会学って確かに概念的というか、それこそ捉どころのない学問な気もします。卒業生ですらこんな感じだし、ましてや1回生たるや。そこで伝えたいテーマを「社会学とは?社会思想史を学ぶ意義とは?」と、生意気にも大きなところに置いてみました。とはいえ、話す内容はあくまでリサーチ(しか話せないし!)。それを通して、あとは聞き手に想像力豊かに感じ取ってもらうという、果てしなく他力本願な戦術です。

 

さて当日。

学生時代に社会学部の建物で撮った写真を投影し、自己紹介からスタートです。

※実際に使った写真ですが、写るんです撮影したと思われる一枚。後ろの掲示板の張り紙等含め、いろいろと時代を感じさせます。

 

修正

 

そんなこんなでお話をさせてもらいました。そして最後に出席確認がてら、講義の感想文を書くのがいつものお決まりだそうです。そこで後日その感想を見せてもらいました。

 

さてさてワカモノはどう感じたのかな、と少しドキドキしながら見たのですが、そこに書かれていたコメントが本当に嬉しかった。リサーチについての感想ももちろん嬉しいですが、「なんとなく社学に入ってきたものの、これって何の役に立つんだろうと悶々としていたけど、そのヒントを掴めた気がする」って内容のメッセージが嬉しくて。「今後社会学をもっと学んでみたいと思った」ってコメントが嬉しくて。他力本願戦術、受け手の優秀さで何とかなりました。

 

個人的には、すぐ身に付けることができて、すぐに役立つスキルや知識は、すぐに役立たなくなるもんだと思います。そして、大学ではすぐには役立たないけれど、大学生の今だからこそじっくりと身に着けたい、それこそ思想や哲学といった、考え方の土台を学ぶことが大切だと思います。(←学生時代はもちろんこんなこと考えていませんでした。後悔先に立たず。)

 

今回の機会を通して、そんなことを少しでも伝えることができたならば幸せです。そして、たくさんの感想文を通して、学生の感受性というか、いろいろと勉強になるフィードバックを貰うことができて、それは私にとってとてもありがたいことでした。またノートをとる代わりにスマホで撮影というシーンであったり、講義中の学生の姿もいろいろ興味深く、改めていい経験をさせてもらったなと思う次第です。

さらになぜか自分自身も社会学を勉強してみたくなり、社会思想史の本を読み出すという、よくわからない現象も起きており、この意識変容についてはもう少し内省して理由を探索してみようと思うのでした。

 

(安部)

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