今回の東日本大震災で被災された方々に対し心からお見舞い申し上げますと共に、一日も早い復興をお祈り申し上げます。我々MRIグループでも、法人・個人から義援金を集め、日本赤十字社に送金させていただきました。少しでもご活用頂ければ幸いです。
さて、震災後に世論調査や意識調査などが行われていますが、実際のところ、生活者の暮らしぶりはどのように変化するのでしょうか?しないのでしょうか?
調査会社としては、本来ならデータに基づいて論ずるところですが、この場は個人的な“直感”のみで思いつくままに大胆予想!(というほどではないのですが・・・)させていただきます。お許しください。
予想1 “暗”を楽しむ生活に回帰
震災一ヵ月後に東京出張に行ってきました。街も駅も電車の中も、そしてコンビニの中も「節電モード」で暗いのにびっくり。でも、そんな中、人々は普通に生活している。
実はこれまでが明るすぎたのではないか?
ふと、そんな風に感じました。
「明るいことが繁栄の象徴」という概念にとらわれ、暗いオフィスは「業績低迷の会社」、暗い街は「さびれた過去の街」とイメージされてしまっていたのでは?
これを機会に、“夕暮れ時の暗さのわび・さびを楽しむ”感覚で、“暗”を取り入れた暮らしに変えていく、っていうのもいいのではないでしょうか?そんな家や建物、街、照明、遊び方が提案されるといいなぁ、なんて思います。
予想2 眠っていた「人を思いやる心」が顕在化してきて、笑顔が増える
ソーシャルメディア上では応援メッセージが溢れており、読みながら涙がこみ上げてきました。
これまで募金などしたことがなかった人が自ら進んで義援金を送ったりしています。
また、テレビでは宮澤章二さんの「思いやり篇」(ACジャパン)のCMが流れます。
実験経済学によると、10%の人間はどんな状況でも「利己的」、10%の人間は常に「利他的」、残り80%は状況次第で「利己的」にも「利他的」にもなりうる、ということです。今回の震災で80%の中の多くの人が「利他的」に移行し、他者を思いやる行動に出ると思われます。
社会に「思いやる心」が溢れることで、日本人の一日あたりの“平均笑顔時間”が5分伸びる!
予想3 家族、友人のある暮らしの有り難味を噛みしめる
津波に街全体が押し流される映像を見て、自然の力の脅威、人間の命のはかなさを感じた人は多いのではないでしょうか。大勢の方が一瞬で家族や友人を失ってしまう大変悲しい出来事。だからこそ、家族や友人の有り難味を再認識させられました。
家族や友人とつながっている喜びを実感するための“つながり消費”みたいなモノ・コトが増えるのではないでしょうか。
予想4 関西活性化
震災後、外資系のエグゼクティブが大阪の高級ホテルを占領したという話は有名ですね。
それはそうと、原発問題に端を発し、東京への一局集中問題が再度クローズアップされてきています。政治、経済、人口、そして働き方などの分散化が求められているのではないでしょうか。
これを機に、関西から東京に行った企業(本社、マーケ、宣伝)が再び関西に戻り、生産拠点を(海外ではなく)西日本に移し、関西企業が設備投資や雇用を促進。関西から日本の経済を立て直す!
これは予測というより大阪の調査会社としての願望に近いですが・・・。
(立田)