御朱印は「記念スタンプ」とは違い、寺社の職員や僧侶、神職などが押印するもので、単に印を押すだけでなく、その下に墨書で寺社名や参拝日などが書かれ、その墨書も含めて「御朱印」と呼ばれており、御朱印に押される印は、神の印であり、御宝印であり、それ自体が神仏の分身といえる大変ありがたいものです。
このように書くと、身構えてしまうかも知れませんが、見た目は和紙にいくつかの墨書きと
朱の印が押された非常にシンプルなものです。
ただし、その場で墨で手書きしてくれることや梵字で墨書きされることも多く、どことなく
味があり、私たちが失いかけている日本人の心に響くものがあるように感じます。
なお、御朱印は本来、寺社に写経を奉納した証として授けられたものでしたが、時代とともに
寺社参拝が一般化したこともあって、現在は寺社問わず参拝の証としていただけるようになってます。
(亡くなった時、棺に納めてもらう人もいるそうです)
ちなみに御朱印は社務所で押印して貰え、値段は300円ほど。
参拝料の掛かるところもありますが、それほどお金がかかるわけではありません。
そんな御朱印ですが、神社やお寺に参拝した証しにもらうということもあり、
年配者中心のイメージがなんとなくありますが、歴史ブームやスピリチュアリズムブーム、
訪れると不思議な力を授かるとされるパワースポットブームなどに後押しされ、
神仏のご利益はもちろんのこと、癒しや元気を求めて若い女性が寺社を訪れる
ケースが増えているそうです。
確かに寺社を訪れると、カメラと朱印帳を持っている30代前後の若い女性が多いように思います。
このように、若い女性の人気を集めていることもあり、京都や奈良などの寺社では、若い女性らを
ターゲットにしゃれたデザインの朱印帳を用意するところも出てきています。
例えば、平野神社の淡いピンクとグリーンの表紙に桜の花を散らした図柄の朱印帳は
「和服にも合う」と若い女性に好評のようです。
(私は今年の干支の「辰」である「雲龍図」(重文)をあしらった建仁寺の朱印帳を買い求めました)
奈良や京都などの古都を有する関西が「上方」と呼ばれて栄えたのと同様に、寺社もまた関西を中心に発展を遂げてきました。
日本で初めての本格的寺院とされる飛鳥寺、大仏で名高い東大寺、弘法大師信仰を集めた東寺、
聖徳太子ゆかりの四天王寺などの大規模な寺院がたくさんあります。
それらの御朱印を集めるには、時間も労力も掛かりますが、末永い楽しみとして、今後も集印していきたく思います。
きっと振り返って見た時に、味があるのはもちろんのこと、旅の記憶を呼び起こしてくれるものにもなると思います。