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大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
日常生活でスタッフが感じたことや、弊社のサービスの紹介をしていきます。

「先行者利益」について思うこと(浜本)2010年2月22日 月曜日

市場にいち早く参入した企業は、一般的に多くのメリットを享受できます(先行者利益)。しかし、それと同時 に先発企業は未開拓の地に踏み込むパイオニアですから、多くのリスクも抱えています。未経験なことばかりですから。(後発優位)

企業の視 点に立つと、このようなことが言われていますが、では我々、生活者の視点に立った場合はというと、、、

過去の自分の経験から、、、

◆ 念願の一戸建てを購入(多分、人生最大のお買物)
当時、寝屋川市の香里園の駅前にある賃貸マンションに家族とともに住んでいたが、1カ月の家賃は 駅前立地ということもあり、そこそこの金額でした。そんな折り、バブル崩壊後、土地神話は見事に崩れ去り、住宅の価格はどんどん下がり、1カ月の家賃の金 額と住宅ローンの1カ月当りの支払い金額がトントンとなっていた。念願のマイホームが欲しい!妻と週末になると不動産会社を回り、寝屋川に隣接している枚 方市の田舎町に、小さな家であるが、ついに念願のマイホームを手にした。
あれから数年後、底値かなと思っていた住宅(土地)価格は、さらに下がり 続け、週末に折り込まれる住宅関連のチラシを見るたびに不機嫌になってしまう。おいおい、私が購入した時の金額で、倍に近い土地、建物じゃないか!!

◆ 憧れの薄型テレビを購入
当時、薄型テレビは、まだまだ普及しておらず、大型の薄型テレビを家庭で見かけることはあまりありませんでした。現在、薄 型テレビの主流は液晶、さらにはLEDの薄型テレビも登場してきました。私が当時購入した薄型テレビは、プロジェクション方式を採用したソニー製のもので した。小さな家には不釣合いなほどの大画面でしたが、逆にそれが自慢でした。ただ、このプロジェクション方式のテレビには少々不都合な点もありました。

① 光度が弱く、明るい部屋では画面が見にくい。
②そのため、横からの視点や寝そべって下からの視点だと非常に画面が見にくい。
③プロジェク ション方式のため、光を発する部品がすぐに劣化し、その度に部品代として数万の費用がかかる、など。

現在の薄型テレビの性能からするとか なり見劣りする基本性能だと言えます。薄型テレビの普及に伴い、価格を低下してきた今となっては、家電量販や友人宅で薄型テレビを見る度に、不機嫌になっ てしまう。

◆最先端機器のiphoneをゲット
当時、当初の想定よりは、iphoneの販売台数は緩やかなものでした。それでも 日本で初とも言えるスマートフォンの登場で、一部のマニア(笑)では、大変な話題となり、店頭でゲットするのも難しい状況にありました。iphoneをど うしても手に入れたかった私は、家族に、今買っておかないと何年も先まで手に入らないかもしれないといった全く根拠もなく、訳も分からない理由で承諾を 得、いざソフトバンクへ。どこにも在庫がない!!枚方中のお店に電話をかけて、在庫を問い合わせてみる。何店舗目かで、昨日、丁度入荷しました。
今 ならご用意できます。早速、店舗に向かい、店員からは、「奇跡ですよ!!」「電話のタイミングが少し遅かったら、在庫が無くなっていたと思います。。。」 念願のiphoneをゲットした。iphoneで電話をする、ネットを見る、単純なゲームをする、音楽を聴く、映像を見る、そして、意味もなく画面をタッ チする。これを電車の中や駅、街中でするのが楽しくて、楽しくて仕方が無かった。現在では、iphone(スマートフォン)も一般化してきており、あちら こちらで見かける状況です。iphoneは第2世代となり、これまたショッキングな情報が舞い込んできました。「実質、機器無料キャンペーン」当時の携帯 電話の機器代としては、破格の金額をつぎ込んで購入した訳ですが、数年でタダとは、、、恐るべしソフトバンク、やってくれるな孫氏、、、当然のことなが ら、これまでiphone(スマートフォン)市場を支えてきた先行者ユーザーには、何の特権も、利益の還元もない。第2世代のiphoneを見かける度 に、不機嫌になってしまう。

◆太陽光発電を採用してみた
一戸建てに住んで何年か経つと、色々な営業活動に遭遇する。
・そ ろそろ壁の塗り替え時期ですよ。
・屋根の塗装を塗り替えませんか。
・シロアリの防止に薬剤を塗りませんか。
お人好しの私は、こと ごとく、これらの提案を受け入れてきましたが、次なる提案はというと
・太陽光発電を入れてみませんか!合わせてオール電化にすることで、光熱費が お得になり、何年かで、イニシャルもペイしますよ。ガス給湯器を約10数年使用しており、ご近所でも故障したといった話をよく耳にするようになり、住宅購 入と同時に屋根に設置した太陽熱温水器の故障や屋根への負担など様々な懸念が重なり、真剣に検討してみることにしました。
・太陽熱温水器を無料で 撤去します。
・IHクッキングヒーターはサービスします。
・エコキュートを採用することで、国から補助金がでます。
・お宅は夜型 生活なので、コストメリットが出やすいです。
・屋根の向き、形状も素晴らしい。
など、次から次へとセールストークが並び、いずれ現状の機 器も壊れることだし、採用してみるか!!
当然、即金で購入するような経済力はなく、高額のローンを組むことになりました。
オール電化と太 陽光発電をセットで採用したことにより、
・月々の光熱費は信じられないくらい安くなりました。
・機器が新品になったということで、しばら くの間は、故障の心配も払拭されました。
・後付ですが、エコにも貢献している(笑)。
と、よい買物をした気分です。
一方で、当初 から分かっていたことですが、上記のメリットを太陽光発電機器のローンがすっかり相殺してくれています(泣)。
オール電化と太陽光発電を採用した 後の「光熱費の金額+ローン+太陽光発電による売電」と採用前の「光熱費(電気代+ガス代)」が、ほぼ同じだと考えると、機器も新しくなり、色々な懸念が なくったことで、賢い買物をしたのだと自分では思っています。

そのような折り、売電制度に新たな動きが見られました。
簡単にいう と、「余剰電気(売電)を、今までの倍の金額で買い取ってくれる」という制度です。この制度が私をいい気分にさせてくれたのは、上記の内容に加えて、以下 のような制度内容でした。
・この制度は全国民の参加型であること
つまり、太陽光発電という環境に優しい商品を導入している人には、余剰電 気を高く買取り、このような行動をしていない人、つまり太陽光発電を採用していない人には、月々の電気代が現状に比べて若干アップする。(買取電気を太陽 光発電を採用していない人にご負担頂く)
・買取価格は10年の固定で、新規に太陽光発電を採用される方には、買取価格は見直しされる。
つ まり、今後、太陽光発電の普及に伴い、機器の価格は当然下がってきます。機器をより安く手に入れた人に対しは、それ相応の買取価格(現状よりも低い価格設 定)に見直しされるという内容のものです。

素晴らしい!!
まさに先行者のことを最大限に配慮した活気的なプログラムだと思いま す。
通常、先行者は、先行者なりのメリットを享受しています。
私の場合ですと、
住宅購入、薄型テレビ、iphoneに共通して言 えるのは、まだ誰も持っていないという、時代の先端を走っているかもという情緒的なものでした。
ただし、この情緒的なメリットは、必ずと言ってい いほど、後に経済的な、機能的なデメリットで、きれいさっぱり相殺されることが多いのです。

この売電制度が先行者のことを配慮した素晴ら しいプログラムだと感じる理由は、先行者の情緒的な価値を提供してくれつつ、経済的な価値も担保してくれているからです。

先行者の情緒的 な価値と経済的(機能的)な価値を共存させてくれるマーケティングって本当に難しいと感じていますが、この制度がそれを体現してくれたということで、いち 生活者としてこれほど幸せなことはないと思います。形状だけ変えて,単に安くモノを提供する、そんな顧客(先行者)無視の展開は是非とも避けてほしいと思 う今日この頃です。

(浜本)

少年時代にタイムスリップして考えたこと (山本)2010年1月22日 金曜日

「昭和ちびっこ広告手帳 東京オリンピックからアポロまで」
「昭和ちびっこ広告手帳 東京オリンピックからアポロまで」

久々にツボにはまってしまいました。

この間、特に何を探すわけでもなく、書店をそぞろ歩 いて、何気なく手に取った文庫本。タイトルは「昭和ちびっこ広告手帳」。
軽くチラ見するつもりが、一気に少年時代にタイムトリップ、心をわしづ かみにされ、気づけばあっという間に30分が過ぎていました。
  
タイトルからお分かりのように、年代でいうと昭和40年代、ト ピックスでいうとこの本のサブタイトルである「大阪万博からアイドル黄金期」にかけて、児童向け雑誌に掲載された広告集です。まさに私が小学生の時にリア ルタイムで見ていたであろう広告の数々。「ゴールド芯」ってわかります?シャープペンシルの替え芯なのですが、芯の表面がゴールドに塗られている、ただそ れだけのものなのに、確か普通の替え芯の倍くらいの値段がしていて、「普通のよりも折れにくい」なんて言って、親をごまかして買った記憶が。

なぜかウィンカーやテールランプ(ブレーキに反応するのではなく、スイッチを押すと適当に点滅するんですね、これが)、時計やラジオまでがゴッチャリと装 飾された自転車も欲しくて欲しくて母親にゴネまくったのですが、これは最後まで買ってもらえなかったなぁ。それも当然、広告に記載されている当時の値段で 49800円とか、当時の大卒初任給に相当する額だったんですね。そりゃ子供の自転車ごときにそんな金はかけれんわ。
そのほかにも大阪万博の企 業パビリオン広告や、プラモデルの広告には、まさに「あの頃に想像していた未来」が、荒唐無稽に、でも夢いっぱいにワクワク感で描かれていたりします(海 底都市での生活はともかく、「台風も核爆弾で撃退!」って、ムチャクチャ・・・)。

最近、「昭和回帰・昭和回顧」がひとつのブームに なっているようです。映画では「3丁目の夕日」のヒットであったり(「20世紀少年」なんかも、まさにあの時代がすべての発端になっています)、山口百恵 の「ザ・ベストテン」での映像を収録したDVDが売れていたり。団地ブーム、なんていうのもありますね。

人々はノスタルジー(郷愁)を 感じると、購買意欲が刺激されると言われています。なぜなら過去はその人の中ですでに経験したもので、しかもその経験はこれから変化することがない「確 実」なもので、そこへの感情移入は容易であるからです。一方で先進感を売り物にした未来の情景は、その時は興味を引いても結局自分ごとに置きかえれないの で、感情移入はしづらい。感情移入ができない商品に購買意欲を喚起させるのは難しいですよね。またノスタルジーを刺激する商品・サービスがヒットする背景 には、

・「回帰することの安心感」
・「知っているものへの安堵感」

といった心理も働いているようです。

「過去」の中でも、昭和の、しかも40年代へのノスタルジーがこれほどまでに強烈なインパクトとなっているのは、私が多感な少年期を過ごしたから、という だけではないような気もします。昭和40年代といえばまさに高度成長の絶頂期、日本全体が明るい未来に向かって邁進していた時期です。子供心にも「これか らものすごく便利で生活しやすい未来が待っているんだろうな(ノストラダムスの予言が外れてくれれば!)」という期待感を持っていたような気がします。い や、子供だけではなく当時の大人たちも将来への期待感に満ちて、日々生活していたのではないでしょうか。

あの頃からみた未来、すなわち 現在は確かに「便利」にはなりました。インターネットでの情報探索や通信などは当時からは思いもよらない技術です。まさに今、私はこの原稿を出張先のビジ ネスホテルで書いて、これから会社宛にメール送信するわけですが、このことを小学生当時の私にいくら説明してもわからないでしょう。というか、小学生に限 らず当時のビジネスマンに言ってもチンプンカンプンでしょうね。

一方であれから40年たっても相変わらず世界のどこかで戦争があり、食 料問題があり、環境汚染は着々と進行し・・・日本国内においては一層先行きの見えない不況感や少子・高齢化・雇用悪化などの社会問題など、未来への期待感 よりも先行きの見えない不安感の方が先立ちます。その不安感は社会人だけではなく、今の子供たちもリアルに感じていると思われます。

現在の世の中が持っている「居心地の悪さ」、あの頃の私たちや私たちの親の世代が思い描いていた未来とは何か違うという気持ちが、「昭和回帰」ブームの根本 にあるのだとすれば、やや物悲しい気分にもなってきます。
「ノスタルジー」という強力なマジックを認識するとともに、もっと前向きで活力のある 社会であるべきだという思いも強く感じた1冊でした。

(山本)

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