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大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
日常生活でスタッフが感じたことや、弊社のサービスの紹介をしていきます。

20年目を迎えた今、MRI大阪におけるリサーチ“今昔”(山本)2012年1月30日 月曜日

先日、年明け早々に社内の大掃除が行われました。通常は年末にスタッフ全員で行なうのですが、昨年は年末ぎりぎりまでドタバタと業務が進行していたため、えらく時効感を無視した話ですが。ロッカーの整理をしていると、私が入社した当時につけていた業務手帳が数年分出てまいりました。一番最初の年度は1992年、ということは、会社に入ってちょうど20年たつことに、今さらながら気づかされました。
懐かしくずーと見返していたのですが、そこに記されている業務内容はそのまま、ここ10数年のマーケティングリサーチの動向ともリンクしていることに、当然ながら気づかされます。20代でリサーチに携わっている方には、。
199293年】
まさに入社した年です。この時分の業務のほとんどが、当時担当していた某CVSの出店調査でした。毎週どこかで通行量調査と周辺環境調査を実施というルーチン業務です。
そして6月から11月までの長期間にわたる業務も行っています。
これは大阪・京都・兵庫3府県の居住者対象の訪問面接調査です。なぜ5~6カ月もかかっているのかというと、調査対象者のリストを作成するために、各府県に属する市役所・区役所を回って、住民基本台帳から調査対象者を抽出する、というサンプリング2か月近くの期間をかけています。当時は自治体に申請すれば、住民基本台帳を全くの第3者が閲覧することができた時代です。個人情報保護という点でから今では考えられないことですが。。。
そしてそのリストを元に調査員を各地域に派遣して数百sの回収に約1ヶ月、それらの集計、報告書作成に2カ月の期間を設けています。このスピード感も、今では考えられない感じですね。
官公庁などが実施する公の調査では今でもこのような大規模の訪問面接調査は行われていますが、クライアントさんが民間企業である弊社の場合、コスト感・スピード感を考えるとこのような訪問面接を実施する機会はほとんどなくなってきました。
9495年】
この時期には西日本全域を対象とした電話調査を実施しておりました。この場合の対象者の抽出はNTTの電話帳からです。すなわち各地域の電話帳を取り寄せて、そこから系統抽出で対象世帯主の氏名・電話番号を転記していくのです。電話帳がサンプリングの母集団として、まだ信頼できる(というか、それに頼らざるをえない)時代でした。携帯電話が普及し固定電話自体を使わない人が増え、さらに電話帳への掲載率が50%を切っているとも言われる現在では使えない手法です(その代わりに今ではRDDといってランダムに電話番号を抽出する方法が用いられています)。
またこの時期には、モニターを構築してFAXで調査票と回収をやり取りするFAX調査もスタートしております。実査期間の大幅短縮、広告ビジュアル(モノクロになりますが・・・)呈示が可能となり、実査(データの収集)に人的コストがかからない調査手法として重宝しました。ただこの時のモニター数は東阪で各200世帯(×世帯内個人)という規模に留まり、そのサンプルサイズから属性別の分析には難がありました。
9697年】
この時期に初めて今でいうネット調査を実験的に実施しています。ただしまだこの時点ではネット調査会社は出てきておりません。そのためパソコン通信の「フォーラム」の参加者によびかけてアンケートフォームに入力してもらう、というかなり原始的なやり方をトライしました。当時のパソコン通信サービス会社に依頼したのですが、2週間足らずで2000sの回収ができたことに「隔世の感」を感じました。これもネット調査全盛の今では当たり前のことですが。ただ当然ながら回答制御や質問間のジャンプなどの機能があるわけなく、データチェックと整合性の確認にかなりの時間をかけたことを覚えています。
ロッカーの片隅から出てきた手帳はこの年で終わっていました。
今から振り返ると最初の56年間は定量調査の「実査係」として、適切なデータの収集をすることのみに執心し、その後の分析や調査結果からの示唆などに思いをはせることさえありませんでした。現在の弊社の戦略商品である「GI・DI等の定性調査」は別部署が実施していたため、私自身はこの時期、殆ど経験しておりませんでした。
定量データの数値のみ見るだけで、その背後にある生活者のインサイトなど感じることもなく。。。
現在ではリサーチ手法や分析手法もデジタル(IT)環境、コミュニケーション手段の急速な発達により、「ビッグデータ」「ソーシャルメディアリサーチ」「バーチャルエスノ」など、様々な可能性がひろがってきております。
20年前のウブな自分を思い返しつつ、今後の弊社あるいは自分の未来を改めて考えるひと時ともなりました。
(山本)

わが身に起こった「超常現象」を解剖すると・・・(山本)2011年5月30日 月曜日

予知夢を見た!
先日、中学時代の部活仲間である友人Aから、10数年ぶりに電話がありました。久しぶりの話を咲かせる間もなく、伝えられたのが共通の知人であるBの病死でした。なんでも数年前から入退院を繰り返していたとのこと。
知人の死にもまあびっくりしたのですが、それ以上に愕然としたことがあります。
実はその連絡を受ける数日前に、めちゃくちゃリアルな夢を見たのです。なぜか中学の部活シーンで、私は友人Aなどとサッカーの練習をしており、隣のスペースではBが所属していた陸上部が同じく練習をしている夢でした。夢のなかで他愛のない会話をAやBと交わしたことも覚えています。何より、現在では中学時代の友人とはほぼ音信普通の状態だったということ、、もともと自分自身がそんなに記憶に残るような夢を見ないタイプであること、そんな自分が、朝起きたときに会話の内容まで覚えているような夢をみて「何かリアルやったなぁ」と思っていたところに、友人Aからの連絡です。これはびっくりしますよね。
「世に言うところの予知夢だ」と思いました。とうとう自分も「超常現象」を経験した、という変な気持ちの高まりを感じ、やはりまだ理屈では説明できない不思議な力が人間の中に隠されていて、何かの拍子に顕れてくるものなんだなぁと思いました。
「思い込み」の危うさ
実は私の予知夢のような「虫の知らせ」や、ひいてはUFOや心霊現象など、科学的に証明できない出来事を体験することによって、信じてしまう。これらは人間の「認知-思考システム」の本質が関わってきます。
例えば行動心理学上の言葉で「関連性の錯誤」というものがあります。
これは実際には関連が全く、もしくは少ししかない2つの出来事の間に、強い関連性を見出してしまう現象のことを言います。人間には目立ったことが2つ続けて起こると、単にその2つが目立つということだけで関連性があると判断してしまう特性があるのです。
つまり私の上記の経験でいうと「中学時代の知人Bが夢に出てきた」ことと、「知人Bが病死する」ということは、当然ながらそれぞれ珍しい出来事なので、その2つの間の関連性が非常に認知されやすい状況になります。
予知夢の正当性を実証するには
「私に見た夢が予知能力によるものだった」という事象を正当付けるためには、夢を見なかったときの事件や、事件が起こらなかった時の夢など、四分割表の全てのマスの割合を考慮する必要があります。
ところが人間というものは夢を見たとしても、その多くは目覚めた直後は覚えていてもすぐに忘れてしまって、記憶には長く残りません。ところが不吉な夢を見た直後に、実際に不幸な事故が起これば、その夢は強烈な員層を持って記憶に残ります(四分割表のA)。一方で、友人に関する不吉な夢をみて不安に駆られても、その人たちに何事もなければ、不吉な夢を見たこと自体が忘れ去られていくことになります。このような現象を「認知バイアス」といいます。
「長らく記憶に埋もれていた友人の夢を見た」ことと「友人が病死した」ことの正当性を実証するには、そうでないパターン(四分割表のB、C、D)、すなわち反証事例を考慮して、認知バイアスがないかどうかを検証する必要があるのですね。
ある天文学者は「当たったケースは残るが、外れたケースは残らない。このように人間は知らず知らずのうちに『共謀』しあって、こうした現象の頻度について偏った記録を取っている」と語っています。
例えばいつの時代にも現れる予言者も、その大きな事件・事故の予言的中がインパクトを持って伝えられるのですが、実はその裏に膨大な数の「外れ」予言があるということなのです。
普段からリサーチにおいて統計の数字を扱っている立場から、このような事象を鵜呑みにすることの危険性を「理論上は」理解しているつもりです。今回の文章もそれなりの立場から書きました。
ただ、あの夢を見た後の不思議な気持ち、友人から電話で連絡を受けた時に感じた「デジャブ感」、理屈では表せない、つかみどころのない不安感に対して、大げさにいうと「人生観が変わるかも」、というくらいの驚きを感じたことも事実です。人生も半ばを過ぎる段階にきますと、なかなか新鮮な驚きというものはないかと思うのです。なのでこのような神秘的・ミステリアスな領域は、あまり理屈でがんじがらめに解明するのではなく、ミステリアスなままで残しておきたいという気持ちも、一方であったりします。
(山本)

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