MRidea vérité

お問い合わせ

スタッフブログ

スタッフ紹介を見る

大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
日常生活でスタッフが感じたことや、弊社のサービスの紹介をしていきます。

日本人とキャラクター(山本)2013年7月31日 水曜日

■とある夏の日の午後

先日、午後に半休を取って帰宅、爆睡後にリビングに入ると、小1の息子が最近ハマっているというTVアニメを見ておりました。それはなんと「ゲゲゲの鬼太郎」!

「なんと」というのは、ほかでもない私自身が幼少のころに同じようにハマっていたからです。すなわち、40年前の子供と現在の子供が全く同じコンテンツに夢中になっているというこの事実。

もちろん私が幼少時に見ていたものは「第2期」と言われるもので、現在CS等で放映されているものは「第5期」というらしく、時代設定や人物像などは21世紀現在に沿う形になっております。たたその根本的な世界観に変わりはなく、親子が並んで番組を見ていながら、同じように楽しい時間を過ごせるのは、決してDNAが成せる技だけとも、そして私が幼稚だからということだからとは思えません。「鬼太郎」というキャラクター(コンテンツ)に普遍普及の魅力があるということなのでしょう。
■日本はキャラクター天国

日本におけるアニメ・マンガを中心に発展したキャラクター文化は独特のものとよく言われます。ちなみに2012年のキャラクター商品全体の市場規模は1兆5300億円だそうです(キャラクター・データバンク調べ)。90年代後半から2000年代にかけては「ドラゴンボール」「ポケモン」「サンリオ」に代表される日本のキャラクターが“クールジャポン”のアイコンとして、全世界に認識されるようにもなりました。

なぜ日本においてこのようにキャラクター文化が育ち、一大ビジネスにまで発展したのか。簡単に言ってしまうと、コンテンツの元となるマンガの父であり、アニメの父でもある手塚治虫という空前絶後の天才がいたから、の一言で終わってしまいます(個人的には国民栄誉賞に値しながら、その名誉を授かっていない最たる人物だと思っています)。

それだけだとこの文章は終わっちゃうので、さらに考察を巡らせますと・・・

ゆるキャラを楽しめる日本人気質

ちょっと懐かしいところではせんと君、最近ではクマモン、ふなっしーなど、いわゆる「ゆるキャラ」ブームは留まるところを知らないといった感じです。個人的には大阪市玉造のご当地キャラ「とらとうちゃん」の、うらびれた感じがツボです。

とらとうちゃん

このようなご当地キャラ、海外では全くと言っていいほど存在しない、という事を聞いたことがあります。なぜ日本でだけこのように愛されるのか。

もともとの語源はみうらじゅん氏が、アバウトなやっつけ仕事のご当地キャラを面白がって(ある意味、揶揄する感じで)名づけたと記憶しております。

このような「不完全なもの、アバウトなものであってもその様を楽しむ」気質こそが日本人の特質なのではと思います。欧米の気質としてよく言われる「0か1か」「領域を明確にする」文化にはないものなのでしょう。

これはそのまま、諸外国が評価する日本発アニメ・マンガの特徴ともつながります。すなわち勧善懲悪、ハッピーエンドなストーリー(=子供向けで大人が楽しむものではない、というゼロイチ区分)ではなく、人物描写やその背景を豊かに描くことで(ある時は悪役をより魅力的に描いて)、起伏があり且つ単純ではない世界観(大人が楽しんでもいい)

という価値が評価されているという事です。この伝でいくと、もしかすると今後はご当地キャラも世界規模でブームになるのかもしれませんね。

子供と一緒に楽しんだアニメから、色々と思いは及んだのですが、実は最も驚愕だったのはキャラビジュアルの大胆な変わり様だったりして。

私が見ていた時代の猫娘がこれ ↓

なのに、今の猫娘ってこれ ↓

ですよ。(萌えパワー全開の妖怪??うーん…)

違う意味で鬼太郎の世界観が変わったことを痛感しました。
(山本)

本屋の将来はどうなる?(山本)2012年10月29日 月曜日

■電子ブックの本格流通が始まる?

先日、アマゾンが電子ブックKindleストアの日本でのサービス開始ならびにブックリーダー端末の日本発売を発表しました。これまでも大手書店や印刷会社主導の電子ブックストアはありましたが、「世界最大の書籍流通であるアマゾン」ということでまさに「真打登場」といった様相です。どんな書籍がラインナップしているのかちょっと確認するつもりが、端末の魅力的な価格設定とも相成り、ついついリーダー端末の購入ボタンをポチっと・・・・年末からは電子ブックデビューとなりそうです。

 

本屋は衰退の一方なのか?

アマゾンが最大の書籍流通となったころから、既存のリアル店舗とネット流通との関係は「ショールーミング」と称されるようです。店舗では実際の商品の見た目や内容を確認したうえで、購入自体はポイントが付いて価格も安いネットで購入する、つまりリアル店舗はネット通販の「ショールーム」と化している、ということです。さらに商品そのものまでものがデジタル化される書籍に至っては、近い将来はリアル店舗そのものが必要なくなるのでは?という声も決して絵空事ではないと思われます。本屋の利点って何なの?存在価値は?というのを、本屋好きのユーザー視点で考えました。

 

■本屋は知の集合体である(しかも好奇心の刺激はタダ)

これ昨日仕事帰りに寄った本屋で購入した書籍です。

立ち寄った目的は「最新のNumber、買うの忘れてたなぁ、買いに行こ」という軽い感じでした。ところが実際に本屋を出た時にはNumber含め6点を買っていました。ジャンルもサブカル、小説、ビジネス指南、マンガ、ノンフィクションルポと、最新刊から1年前の発行のものまで、見事にバラバラ。

 

これこそが本屋の最大の良さだと思います。当たり前ですが本屋にはジャンル別に様々なコーナーがあります。文芸、社会・経済、経営・ビジネスから、理工・法律などの専門性の高いものまで。古今東西の知識・知恵・思想・経験が、下世話なものから高尚なものまで、手を伸ばせば届くところに集まっており、実物を見て好奇心が刺激されればすぐに新たなジャンルに足を踏み入ることができる。

 

この刺激はネットの世界ではなかなか実現できません。よくあるネットのリコメンド機能はあくまでも購買履歴や索引履歴をもとにしたものなので、例えば今回の私のように、Number→いがらしみきおのマンガ→吉田豪のインタビュー集→新進気鋭作家のミステリー、といった連鎖が一度には起こりえないでしょう。知的好奇心の刺激から新たな世界を(店内をたった10数分ぶらつくことで)覗くことができるのが、リアル書店の最大のメリットだと思います。

 

「好奇心が刺激されたらその場で買わずに、帰ってからネット購入すればいいじゃないか」と思うかもしれません。でも人間、ふっとした機会に芽生えた新たな好奇心がそんなに継続することはありません。うちに帰って改めてネットで購入しようとまで思えるものは、たぶん潜在的に興味があったものなんだと思います。それまで全く興味のなかったジャンルや人物のふと気になったタイトルや装幀に惹かれて、新しい世界に足を踏み入ることができるのは、やはり本屋でしか体験できないことだと思うのです。

 

■日本人の読書総量低下の方が大問題

総務省の家計調査の最新データによると、1世帯あたりの書籍・雑誌等の購入額は1万3千円/年、だそうです。月間ではなく年間です。ひと月に1000円強しか本にお金を使っていないということになります。個人的にはこの数字に驚愕の思いです。ネット及び携帯に費やす時間・コストがそのまま反映されているのでしょうか。

 

確かに専門的な知識も含めてあらゆる情報は、今やネットでググれば簡単に手に入れることができます。でもやはりネットの情報だけでは手に入れられない、身体に染み込まない「知の連鎖」はあるはずだと思います。

 

そんな中、「クラウドで本棚いらず」だとか、「雑誌の自動配信がユーザーを拡大する」といった戦術・方法論は些末なことに感じます。確実に失われつつある読書習慣(あるいは文化といってもいいかもしれません)を取り戻すための抜本的な戦略に、出版社、流通(もちろん書き手も)が一体となって取り組まないと日本の社会自体が恐ろしく知的貧困化するのでは、と子どものころから活字中毒だった私は危惧しております。

 

(山本)

スタッフ

バックナンバー

ページ上部へ

〒550-0004
大阪市西区靱本町1丁目7番3号
PAX本町ビル
インターネットからのお問い合わせはこちら インターネットからのお問い合わせはこちら 06-6449-1595(代)06-6449-1595(代)