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大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
日常生活でスタッフが感じたことや、弊社のサービスの紹介をしていきます。

顧客満足度を高めるホスピタリティの大切さ(山本)2010年9月27日 月曜日

9月の3連休に、わが子の接待で兵庫県に所在する某遊園地に行って来ました。小さい子供でも乗れるアトラクションが多く、大型のプールも併設されており(9月に入っていたためプールは営業しておりませんでしたが)、子供は満足していたようでしたが、私自身は「子供にせがまれない限り、もう来ることはないだろうな」と思ってしまいました。自動車でのアクセスに不便があるわけでもなく、テーマパークに付きモノの混雑に辟易したわけでもありません(というか、3連休の初日の割には少ないと感じるくらいの人出でした)。
何故そのように感じたのか、改めて思い起こしてみると、 

園内の案内図が分かりにくい。

入園すると簡単な1枚物の園内案内図を渡されるのですが、これが白黒印刷でとても見にくい。園内に設置されている案内図も、現在地と関係が分かりにくく、ここでまず「うん?」と不満の芽が・・・・
◆ 写真撮影・販売を仕掛けてくるスタッフ
   ゲートをくぐってしばらく歩くと、前方からカメラを首から下げたおじさんが来て、「思い出に写真を撮ります。気に入れば買ってください」という営業がスタート。そういう商売があるのはわかりますし一定の需要もあるのでしょうが、いやいや、たった今、入園したばかりだって。これから楽しんで思い出作るんだって。もちろんしつこく付きまとったりはしないのですが、「何か違うな」という違和感が・・・。
アトラクション利用券売機の少なさと発券の遅さ
園内のアトラクション全てに使えるフリーパスはあるのですが、「全部乗ることもないし」と思って、一回ごとに使うチケットを園内で購入することに。ところがこのチケット発券機の数が少なく、途中で足りなくなると、ちょっとはなれたところまでまた買いに行く羽目に。さらに10枚つづりを購入すると、11枚印字しているのか、とにかく発券が遅い。真夏の炎天下で、しかも混雑していたりすると、これだけでフラストレーション溜まるのでは、と思わせるほど。
  園内のベンチが汚い
多分、園内のレストランは「高かろう、まずかろう」と思っていたので、弁当を持ち込んでいたのですが、とにかく座ろうとするベンチやテーブルがどれもこれも汚い!
もちろん、このテーマパークの名誉のために付け加えておくと決して悪いところばかりではありませんでした。トイレの中はとても清潔でなんとクーラーまで完備されていたのには驚きました。またアトラクションは親同伴であれば、ほとんどが幼児から利用可能なのも喜ばしい。園内には乗り物などのアトラクションだけでなく、子供が遊べる室内展示ブースがあり、親もそこで一息つけるなど、良い点も多々あるのです。
でも、でも、多分もう行くことはないでしょう・・・
テーマパークといえば、8月に北海道に旅行した際には旭山動物園に行ったのですが、その前評判にたがうことのない、非常に満足のいくものでした。今度北海道に行った際には、また行こうと思わせる楽しさがありました。2者に対するリピート意向の喚起を分けたのが何なのか、改めて考えて見ると
「園内のスタッフが楽しそうに働いていない(ように見える)」
ということなんだと思います。
上述した園内ユーザビリティに関して、旭山動物園のそれがこの遊園地に較べて極端に優れているかというと、決してそうは思いません。むしろ劣っている点もあるかと思います。
ただ旭山動物園のスタッフの接客には、「来園者に楽しんでもらおう」「この動物園を好きになってもらおう」という気持ちが、手に取るように感じられました。旭山動物園のUSPとしてよく紹介されている従業員手作りの「動物ワンポイントガイド」や手書きの看板に、その気持ちが現れています。
翻って某遊園地の場合、多くは地元学生のアルバイトなのでしょうが、とにかく笑顔が見られない。まるでビル管理の清掃員のようなイケテない服装とも相まって、彼らから「楽しさ」「ワクワク感」が全く伝わってこないのです。けっして怠惰であったり無愛想なわけでもないのですが、仕事として割り切った感があり、「楽しんで働いていないな」と。そう感じた私も、一気に冷めてしまうというか、非日常の空間であるべきテーマパークで、日常的な空間に引き戻されてしまった感じがしてしまったのでしょう。
今回はテーマパークのホスピタリティという点で色々と考えさえられましたが、でもこれって接客サービス業に限らず、全ての会社に当てはまることではないでしょうか。社員に笑顔が見られない、楽しそうに働いているように見えない会社と一緒に仕事はしたくないですよね。
さてMRI大阪は皆さんから、「楽しそうに働いている会社」と見えているでしょうか?
(山本)

少年時代にタイムスリップして考えたこと (山本)2010年1月22日 金曜日

「昭和ちびっこ広告手帳 東京オリンピックからアポロまで」
「昭和ちびっこ広告手帳 東京オリンピックからアポロまで」

久々にツボにはまってしまいました。

この間、特に何を探すわけでもなく、書店をそぞろ歩 いて、何気なく手に取った文庫本。タイトルは「昭和ちびっこ広告手帳」。
軽くチラ見するつもりが、一気に少年時代にタイムトリップ、心をわしづ かみにされ、気づけばあっという間に30分が過ぎていました。
  
タイトルからお分かりのように、年代でいうと昭和40年代、ト ピックスでいうとこの本のサブタイトルである「大阪万博からアイドル黄金期」にかけて、児童向け雑誌に掲載された広告集です。まさに私が小学生の時にリア ルタイムで見ていたであろう広告の数々。「ゴールド芯」ってわかります?シャープペンシルの替え芯なのですが、芯の表面がゴールドに塗られている、ただそ れだけのものなのに、確か普通の替え芯の倍くらいの値段がしていて、「普通のよりも折れにくい」なんて言って、親をごまかして買った記憶が。

なぜかウィンカーやテールランプ(ブレーキに反応するのではなく、スイッチを押すと適当に点滅するんですね、これが)、時計やラジオまでがゴッチャリと装 飾された自転車も欲しくて欲しくて母親にゴネまくったのですが、これは最後まで買ってもらえなかったなぁ。それも当然、広告に記載されている当時の値段で 49800円とか、当時の大卒初任給に相当する額だったんですね。そりゃ子供の自転車ごときにそんな金はかけれんわ。
そのほかにも大阪万博の企 業パビリオン広告や、プラモデルの広告には、まさに「あの頃に想像していた未来」が、荒唐無稽に、でも夢いっぱいにワクワク感で描かれていたりします(海 底都市での生活はともかく、「台風も核爆弾で撃退!」って、ムチャクチャ・・・)。

最近、「昭和回帰・昭和回顧」がひとつのブームに なっているようです。映画では「3丁目の夕日」のヒットであったり(「20世紀少年」なんかも、まさにあの時代がすべての発端になっています)、山口百恵 の「ザ・ベストテン」での映像を収録したDVDが売れていたり。団地ブーム、なんていうのもありますね。

人々はノスタルジー(郷愁)を 感じると、購買意欲が刺激されると言われています。なぜなら過去はその人の中ですでに経験したもので、しかもその経験はこれから変化することがない「確 実」なもので、そこへの感情移入は容易であるからです。一方で先進感を売り物にした未来の情景は、その時は興味を引いても結局自分ごとに置きかえれないの で、感情移入はしづらい。感情移入ができない商品に購買意欲を喚起させるのは難しいですよね。またノスタルジーを刺激する商品・サービスがヒットする背景 には、

・「回帰することの安心感」
・「知っているものへの安堵感」

といった心理も働いているようです。

「過去」の中でも、昭和の、しかも40年代へのノスタルジーがこれほどまでに強烈なインパクトとなっているのは、私が多感な少年期を過ごしたから、という だけではないような気もします。昭和40年代といえばまさに高度成長の絶頂期、日本全体が明るい未来に向かって邁進していた時期です。子供心にも「これか らものすごく便利で生活しやすい未来が待っているんだろうな(ノストラダムスの予言が外れてくれれば!)」という期待感を持っていたような気がします。い や、子供だけではなく当時の大人たちも将来への期待感に満ちて、日々生活していたのではないでしょうか。

あの頃からみた未来、すなわち 現在は確かに「便利」にはなりました。インターネットでの情報探索や通信などは当時からは思いもよらない技術です。まさに今、私はこの原稿を出張先のビジ ネスホテルで書いて、これから会社宛にメール送信するわけですが、このことを小学生当時の私にいくら説明してもわからないでしょう。というか、小学生に限 らず当時のビジネスマンに言ってもチンプンカンプンでしょうね。

一方であれから40年たっても相変わらず世界のどこかで戦争があり、食 料問題があり、環境汚染は着々と進行し・・・日本国内においては一層先行きの見えない不況感や少子・高齢化・雇用悪化などの社会問題など、未来への期待感 よりも先行きの見えない不安感の方が先立ちます。その不安感は社会人だけではなく、今の子供たちもリアルに感じていると思われます。

現在の世の中が持っている「居心地の悪さ」、あの頃の私たちや私たちの親の世代が思い描いていた未来とは何か違うという気持ちが、「昭和回帰」ブームの根本 にあるのだとすれば、やや物悲しい気分にもなってきます。
「ノスタルジー」という強力なマジックを認識するとともに、もっと前向きで活力のある 社会であるべきだという思いも強く感じた1冊でした。

(山本)

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