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大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
日常生活でスタッフが感じたことや、弊社のサービスの紹介をしていきます。

調査における仮説検証って難しい!?(立田)2014年4月30日 水曜日

1.「仮説思考」という思考法

 書店に行けば、「仮説思考」(内田和成著)という本があります。著者は、「仮説思考」の効用を以下のように整理してくれています。

  • 仕事をこなすスピードが速くなる(意思決定が速くなる)
  • 仕事の質が高くなる(意思決定の質が高くなる)
  • 仮説思考の特徴である「全体像から入って必要な部分のみ細部にこだわる行為」の積み重ねで、物事の全体像をつかむ力が向上する 
何やらこれは、調査の設計や分析段階においても大切そうですね。
2.調査と仮説
さて、調査には大きく3種類があります。①実態把握型調査、②仮説検証型調査、③仮説発見型調査です。以前の連載では、③仮説発見型調査に関連する話題を書かせていただきましたが、今回は②仮説検証型調査に関連する話題と言うことになります。
3.人間の調査仮説の活用の発達段階
「仮説検証型調査」には、もちろん前提として検証すべき「仮説」があるはずです。そして、調査企画の段階で、その仮説があっているかどうかを確認する調査項目を設定します。そして、定量調査、定性調査を実施して調査データ(FACT)を取りに行きます。
でも、意外と「仮説検証」という思考プロセスは難しいなぁ、と感じています。以下、私が20代だったころから感じてきたこと、体験してきたことを振り返ってみたいと思います。
〇第一段階
20代後半だったと思います。仮説検証型のGIをバックルームで見ている最中、もしくは調査のレポート作成時に起こった現象は、「仮説」を肯定しようとする行為でした。
仮説に当てはまる情報のみをピックアップして「やはり仮説通りだった」と結論付けようとしてしまう。悪意があるわけではありません。「仮説」を持つとそれを肯定する情報のみが自然と脳の中に蓄積されてしまうのです。
  
〇第二段階

次に訪れた段階は、調査結果では「仮説」を肯定するデータもあるが、否定するデータもあるという場面に遭遇し、迷いたじろぐ段階。どうしようかと悩んでしまいます。「仮説を肯定するところだけを使ってまとめてしまおうか。そうすれば迷わなくて済む」という悪魔のささやきとのせめぎ合い。
この時に求められるのは、「仮説」を一旦捨てて、再度データを見て「仮説」を再構築することが必要ですね。そういった姿勢で、再度データを見てみる。「仮説」を捨てる勇気を身に付ける段階だと思います。
〇第三段階
「仮説」を持って調査設計をするのですが、GIなどの実査の段階では、既に「仮説」の枠から脳が解放され、自由な姿勢でFACTを眺めることを楽しむ段階。はなから「仮説は仮説。的確な調査項目を洗い出すために必要なものだが、実査が始まってしまえば仮説は一旦忘れてもいい」という感覚ですかね。
若いころ、これらの段階を登って行くのに苦悩した覚えがあります。私の様な凡人は、常に意識しないとできないことかもしれません。
でも、こうやって見てくると、「仮説検証型調査」とは言いますが、実はその実査段階、分析段階において、新たな仮説を発見する「仮説発見型調査」でもあると言えるのではないかと思えてきます。
4.弊社が「仮説構築」に関わる2つのパターン
ちょっと話は変わりますが、弊社が「調査仮説」に関わるパターンとしては、以下の2つのパターンがあります。

①お客さまの頭の中にある仮説をきちんと整理して理解した上で検証する
 お客さまに丁寧にヒアリングをして、お客さまが抱える「マーケティング課題」、そのマーケティング課題の原因となっている「課題仮説」、それに対してどういう施策が考えるのかという「戦略仮説」、そして今回の調査で検証すべき「調査課題」の4つのレイヤーで整理するパターンです。
これは、お客さまが立てた「仮説」を検証することをメインの目的とし、調査設計の段階で新たな「仮説」は求めていない場合に適応されます。
ここで弊社に求められている能力は、お客さまに寄り添って思いを共有し、マーケティングプロセスに当てはめて、きちんと整理できることだと認識しています。
②クリエイティブな仮説をお客さんと一緒に創造し検証する
もう一つは、「仮説」をお客さまと弊社で共に考えて創造するパターン。お客さまが、ご自身で考えられた仮説の枠を超えて新たな気付きを(潜在的にでも)求められている場合に適応されます。
ここで弊社に必要な能力は、弊社なりのクリエイティビティのある仮説構築力です。
いずれのパターンでも、弊社は価値をご提供したいと思っております。すみません、なんか最後は営業チックになってしまいました。お許しください。。。
(立田)

「立田が、今最も関心を持っていること」【第4回】(立田)2013年6月24日 月曜日

第4回】 新たな価値提供を目指して 

イノベーティブなアイデア発想ができるリサーチ会社もあっていいんじゃないか!?② 
前回からだいぶ期間が空いてしまいましたので、これまでの流れを振り返らせていただきますと…

【第1回】 課題認識①
リサーチという機能がなくなることはないが、リサーチ“業界”は近い将来なくなるかも!?
60年前から構築されてきた「リサーチ」という概念は融解を始めている中で、旧来型の「リサーチ」にしがみつくことで存在を維持しようとするのであれば、リサーチ業界はなくなる可能性があるのでは。リサーチ業界そのものが、顧客基点にたってイノベーションを起こさないといけない。
【第2回】 課題認識②
自社も含めた“守旧派”のリサーチ会社が、お客さまに提供すべき価値とは!?
顧客(クライアント)価値の視点で「リサーチ」というビジネスを考えた時、「仮説検証型リサーチ」においてはそのリサーチ会社ならではのユニークな仮説のご提供という価値、「仮説発見型リサーチ」ではユニークなリサーチの実践と、仮説発見までの思考法のご提供という価値、などなどが案として考えられるのではないか。
【第3回】 新たな価値提供を目指して
イノベーティブなアイデア発想ができるリサーチ会社もあっていんじゃないか!?①
世の中が求めているのは、ユニークな仮説New
idea
New Concept
これにはイノベーティブな発想が必要です。
では、そもそもイノベーティブな発想に必要なことって何なのか?
 ⇒それは「姿勢」「4つの行動スキル」「認知的スキル」で説明できるようだ!?
では、リサーチが「イノベーティブなアイデアを発想すること」にどう寄与できるのだろうか?
 ⇒これは、「4つの行動スキル」の中の「質問力/観察力」あたりと関係性がありそう!?


で、今回が4回シリーズの最終回。
弊社が志向しているサービスの方向性を簡単に(さわりだけ)ご紹介させていただきます。
と、その前に、上記とも関係が深いので、最近の弊社社内の“流行語”をご紹介させて頂きます。

セレンディピティ Serendipity
閃き。思わぬ偶然を発見する能力
●天の声は、考え続けている人に降りてくる。
●チャンスは心構えのある人を好む。考えているからこそアイデアは導かれてくる。
 (細菌学者ルイ・パスツール)
●きっかけは偶然であってコントロールできない。重要なのは、それを待ち構えている姿勢。
 考え続ければ、意識下で発酵が進み、何かのきっかけで、いつしかアイデアは閃く。
 (「発想ノート」高橋宣行氏より)

クリエイティブ界では共通言語なのではないかと思いますが、このコトバを弊社にも浸透させようとしています。イノベーションなんて、そうそう簡単に起こすことなんてできません。常日頃の多様な体験、専門領域外の異質な知識、考え続ける姿勢、これらがあって初めて「感じ取る感性」や「考える瞬発力・忍耐力」が磨かれ、イノベーティブな発想に繋がるのでしょう。
では、いよいよ最終回の本題へ!

■イノベーティブなアイデア開発プログラムの提唱

既成概念をぶち破る 拡散のメソッド
 
とかく人は、これまでの世の中の常識、業界の常識、といった“自主規制”の中でしか思考できないケースが多い。
一旦、頭の中にあるその“自主規制”を取っ払うため、例えば・・・


  • 顧客が本当に求めている価値、本当に解決したいと考えている課題は何かに思いを馳せ、生活者インサイトに触れる

  • その価値を全く別の形で提供している異質な業界のケースに学ぶ
  • エクストリームユーザーの生活様式や生活行動に学ぶ
  • 自然の叡智の学ぶ  etc

このような思考の展開、情報収集のプロセス全般が、広義のリサーチではないかと考えています。

イノベーティブなアイデアの 発想のメソッド

広義のリサーチにおいて集められた情報、加えて日常の生活の中でストックしてきた知識を総動員して、情報と情報を結合していく。

  • 単純結合法:アイデアとアイデアを結びつけて新たなアイデアを創出
  • 回遊的思考法:回遊的思考を駆使しながら情報を拾っていき結合させていきながらアイデアを創出

【参考情報】

「回遊的思考法」は、同志社大学の山口栄一教授著書の「イノベーション
破壊と共鳴」を参考にさせて頂いています。
本書では、トランジスタ、青色発光ダイオード、isp細胞といった技術のイノベーションが起こっていったプロセスを紐解いています。すると、すべてが右図のような「ダイヤグラム(イノベーション・ダイヤグラム)」で説明できるのだそうです。
単純に今ある「既存の知・技術」に改良を施すのではなく、一度暗黙知に潜り込み、「知の創造」を行ったり、「知の回遊」を行った後に、「知の具現化」を行う、といった思考のプロセスです。

■弊社では、下記のようなサービスを構築し、ご提供して参ります

「多様な価値観を持った人材」、「ユニークな体験をしてきた人材」の集合体(組織)を基盤とし、
  • 既成概念に捉われない様々な発見に結びつく広義のリサーチのメニュー化
  • イノベーティブなアイデア発想プログラムのメニュー化
を進め、お客様のモノづくり、ビジネスモデルの開発に貢献して参ります。
ご期待ください。
(立田)

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