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大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
日常生活でスタッフが感じたことや、弊社のサービスの紹介をしていきます。

「PayPay」どうでしたか?(石倉)2018年12月26日 水曜日

「100億円あげちゃう」と、刺激的なキャンペーンコピーを引っ提げて、 史上まれにみるスピードで、認知・利用者獲得を達成したPayPay。

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出展元:https://toyamatome.com/paypay-campaign/

 

政府が推進するキャッシュレス促進施策にうまく重ねてきたところもありますね。

PayPayの契約には、スマホの利用とクレジットカード登録が必要なので、

契約対象となるのは国内で最大5000万人くらいでしょうか?

100億円を5000万人で分け合うと、単純平均で200円。

実際には、最小0円から、最大50,000円(50,500円かも?)まででした。 わたしは、入会特典の500円と、たばこ購入還元分(20%)の300円、

計800円のおトクでした。

 

さて、この狂想的ともいえる盛り上がりのさなか、ふと思い立ったことがあります。

それは、わたしが手にした「800円」は、正確には、

800円「相当」の「購入時充当権利」であると言うこと。

もちろん、PayPay利用可能店舗であれば、800円の商品を現金を使うことなく

購入できるので、800円を手にしたのと同義と言えば同義なのですが、何かが違う。

 

「利用可能店舗でしか使えない」、という事もありますが、当初のローソンだけでなくファミマも

使えるようになったりして、日常的に通っている店が対象店舗であり、かつ、これから拡がりを

みせるだろうから、そこはさして問題とは捉えていません。

 

では、何かと言うと、「その権利を有していることが目に見えないこと」です。

 

お札や硬貨、あるいはクーポン券や金券などの「物体」であれば、忘れていても、財布を

開いた際に、「視覚的」に思い起こせます。

しかし、この手の購入時充当権利は、能動的にアプリを開かないと確認できない、

下手すると存在を忘れてしまう、つまりは、持っていないのと同義になるのではないかと。

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ちゃんと覚えとけばいいやん、と言われればそれまでです。確かにそうなんです。

ただ、半世紀も生きてくると脳の劣化も著しい。

さらに、言い訳を1つさせて頂くと、人生の半分以上をパソコンや携帯・スマホに囲まれて、

ある種、支えてもらって生きてくると、脳が自分で記憶することをサボるようになっています。

パソコンたちが、わたしの外部記憶媒体を担ってくれている間に、内部記憶媒体である脳が

劣化してしまっています。

 

10ケタの電話番号、8ケタの誕生日や記念日、たった1週間前後のスケジュール、

どれもこれも、自力で覚えていたものが、いまやすっかり覚えられなくなっています。

と言うか、覚える意欲すら持ち合わせていないです。

家を建てて3年近くたちますが、いまだに7ケタの郵便番号が覚束ないです。

入社して1年3か月経ちますが、いまだに会社の電話番号が覚束ないです。

そんな弱りきった脳に、この手の「目に見えない権利」は非常にアブナイのではないかと、

そう思い立った今日この頃です。

 

そこで、善(?)は急げとばかりに、思いつく範囲で目に見えない権利を捜索してみました。

 

JAL・ANAのマイル、TSUTAYA・Tポイント、ジャパンネット銀行の入会時クーポン、

楽天ポイント、nanakoポイント、amazonポイント、ICOCA・PITAPAの残高、セゾンの

永久不滅ポイント、電子書籍のReader Storeの残高、LINE pay、果てはビットコインの端数。

そういや、メルカリの売り上げ残高とかもあったなあ。

 

どれもこれも物品・サービス購入に充当できる立派な電子マネーです。

これらを積み上げたら、なんと、総額、98,725円相当!!(2018年12月時点換算)

 

財布に入っていたら、目に見えていたけど、見えなくなっていて忘れつつあった財産です。

しかも、これで全部だと言う自信がまったくもてない。

 

これは、非常にアブナイ。

記憶をパソコンやスマホに頼りきった50overのわたしには、非常にアブナイ。

まずは、これらを紙に書き出して、いつもで読める状態にしようと思います。

デジタル化がどんどん進んでいるのに、なんとアナログな・・・。

 

で、結論なんですが、

『だから、デジタル化やキャッシュレス、電子マネーはいかん!』

と言いたいわけでは決してなく、逆に、この手の進化は個人的にものすごくwelcomeです。

ただ、これら目に見えないものを一元管理できるツールが欲しい。

いちいち、それぞれのサイトに、ID/PWでアクセスして確認するのではなく、まるでわたしの

財布のように「そのサイトさえ見れば、すべてが一覧できる」ような「見える化」ツールが欲しい。

※ついでに言うと、相互交換できるようにしてほしい(顧客囲い込みの観点でたぶん無理でしょうけど)

 

そうやって、ちゃんと自分でコントロールできるようにしてほしいです。

そうしないと、管理しきれない目に見えない不安で押しつぶされそうです。

 

これから、ますますAI・IoTがわれわれのくらしを支えてくれます。

自分が指示しなくとも、家電や調理、窓の開閉やお風呂が、わたしの意(であるはずのこと)を汲んで、先回りして、せっせと働いてくれるようになります。欲しかった(はずの)ものが、頼んでもいないのに届くようになります。そんな世の中があっという間に広がります。

 

IOT

出展元:http://okinawa.io/blog/tech/trend2016

 

そうなると、そもそも、自分が何をしたかったのか、何を欲しかったのかも見失いそうです。

決して不快ではないものの、なんだか自分の人生の主役でなくなっているような、不思議な感じになりそうです。

 

やはり、自分の人生の主役は自分でありたい。

目に見えない働きをコントロールしておきたい、そんなことを考えていました。

 

 

 

平成になってから生まれたサービスばかりなので、平成のうちに何とかしておいてほしい、

そんな平成最後の年の瀬でした。

平成

出展元:http://urx2.nu/OOlA

 

(石倉)

傘がきらい(石倉)2017年11月1日 水曜日

少々の雨なら、というか土砂降りでもない限り、わたしは傘を持って出掛けません。
コンビニや駅までそれなりに濡れることになったとしても傘を持たずに出掛けます。
それくらいきらいです、傘が、わたし。

★★★

ちなみに、電車内の忘れ物王座に君臨している傘は、JR西日本管轄だけでも年間22万本が忘れられ、その引取り率はわずか14%。言い換えると、86%にあたる19万本は引き取られないことになります。わが街、大阪府高石市の人口が6万人足らずですから、生まれたばかりの赤ん坊も含めた全市民に毎年3本ずつ配れる、ものすごい量ですね。

 

忘れ物 処分市

出典元:https://www.youtube.com/watch?v=DNL23B5pXd8

 

さすがに、皆さんが傘をきらっているとは思いませんが、これだけ置いてきぼりにされる傘が多いということは、「無くしてもいいや」くらいの位置づけでしか傘を捉えていない人が結構多いということを物語っているのではないでしょうか。

★★★

そういえば、傘っていつからあるんだろう?

実は、傘って4000年前にはすでに存在しており、当時は貴族の夫人や高僧たちが外出する際の日よけとして使われていたそうです。雨傘ではなく、権威の象徴としての日傘だったんですね。日本でも、1400年前の飛鳥時代には日傘が存在しており、室町時代になると和紙に油を塗って防水性を施して雨傘としても使われるようになったそうです。食えない浪人侍が、内職で傘を作っている時代劇のシーンを見かけた方も多いのでは。

 

図3

出典元:左 https://blogs.yahoo.co.jp/seizoh529/44950716.html
右 http://oldphoto.lb.nagasaki-u.ac.jp/jp/target.php?id=2389

 

★★★

雨に濡れることをそれなりに防ぐ(それなりにですが)という傘の便益はさすがに認めます。が、その代償として片手を傘に占拠されてしまいます。電車や建物など雨が防げる場所ではびっしょり濡れた物体を持ち歩かねばならない。雨が上がると悲惨で、ただの邪魔もの以外のナニモノでもない。

 

少しだけ傘の肩を持つと、初期の傘は畳めなかったけど畳めるように工夫されました。ほかにも、折り畳み傘が出現したり、ワンプッシュで開閉できたり、などなど多少の変化はしてきています。

最近では、折り畳む方向を反転させることで、畳んでも濡れない傘なども出てきています。

 

図2

出典元:http://blog.norimen.com/article/419947411.html

 

★★★

それにしても、傘の素人のわたしが言うのもなんですが、残念ながらどれもこれも本気度を感じさせない変化です。

つまるところ傘ってば、4000年もの間、「テント状に布を張った棒を手で持って雨をブロックする」、という基本構造がまったく進化してないんじゃないでしょうか。

 

お料理や洗濯などの家事や、移動・交通手段、労働で使用するツール、離れた人との通信手段、など社会の様々なものが時代と共に確実に進化している中で、傘は基本構造の変化をサボタージュしている、少なくともわたしにはそう見えていて、そこがすごくいやなんだと思います。

★★★

話はぜんぜん変わりますが、広告会社系列のリサーチ会社に入社して以来、気が付けば30年近くとなりました。これまでに、大小織り交ぜ実に多くのリサーチ案件に携わってきましたが、その多くは、クライアント企業のマーケティングのお手伝いです。端的に言うと、クライアントさんの大切な商品の売り上げを向上させるために、どのような打ち手を取るべきか、どこを改善すべきかといったことをひねり出すシゴトです。

これらのシゴトを通じて、進化させることへのクライアントさんの熱量・真剣さを肌で感じるとともに、そこに貢献するために考え抜く自分のシゴトにひりひりとしたやり甲斐を感じていました。

 

そんな日々を過ごしてきたので、進化しない傘を目の当たりにすると残念な気持ちでいっぱいになるんだと思います。

と考えると、もしかすると傘そのものを嫌っているのではなく、進化を怠っているモノ・コトすべての象徴として傘をやり玉に挙げているだけかも知れません。このブログを書いていてそこに気づけたのは収穫です。悪の枢軸のように語ってきた傘に詫びたい気持ちすらわいてきました。

ごめんよ、傘。

★★★

しかも、そんな傘の汚名を晴らすかもと言う朗報に3年ほど前に触れました。
この写真をご覧になってください。

 

図4-5

出典元:http://www.hashslush.com/air-umbrella-project

 

「Air Umbrella」と呼ばれるこの傘は、雨を防ぐ布が無くなっています。代わりに、シャフト(棒)の先端から強い風を噴出し、その風圧で雨を遮るというこれまでにない着想でデザインされています。畳む布がないので、非使用時に濡れるというネガティブからも解放されています。

実は、このAir Umbrellaは、開発資金をクラウドファンディングに委ね、しっかり成就したものの、3年経過した現在も商品化の声は聞こえておらず、ある種、クラウドファンディングの闇を表す逸話として語られることが多いです。

ただ、わたしはこの話をネガティブには捉えていません。実現できたかどうかよりも、これまで4000年間、抜本的な進化がなかった傘に対し、その構造を一から革新させる「可能性を世の中に示した」点で画期的なことだと思って歓迎しています。この着想に刺激を受けた人々が、傘の常識という鎖から解き放たれたのではないでしょうか。

★★★

わたしは、2か月前に50歳になったことを機に市場調査社の一員となりました。
いい歳したおっさんが50歳にもなって転職したのは、弊社が、既に出来上がった「モノ」の進化のお手伝いもさることながら、「まだ、世の中に無いなにか」を生み出すお手伝いこそを事業のドメインにおいているからです。
まだ、世の中に無い何か、たとえば、ウォークマン、ウオシュレット。
たった一つのモノの出現によって、それまでの常識が覆り、生活習慣が激変し、その後定着し文化にすら昇華する。そんな、わたし自身もわくわくできるようなモノ・コトを生み出すお手伝いに、残りのリサーチャー人生をかけてまい進したいと考えています。
いつの日か、帽子型なのかリュックサック型なのか分りませんが、使用時に両手が解放され、非使用時にも濡れない傘が誕生するかもしれません。
その暁には、声を大にして「傘が好き!」と言い放っていることでしょう。
願わくば、その開発プロジェクトにわたしが参画できていますように!

(石倉)

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