大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
日常生活でスタッフが感じたことや、弊社のサービスの紹介をしていきます。
皆さんは「アート」と聞くと、どのようなことを連想されるでしょうか?
芸術作品、
自由に表現をするもの、
一見しただけでは理解できないものもある、
引っ越しセンター・・・?
様々なワードが浮かぶと思いますが、
私にとっては「アート=芸術作品=日々の仕事や暮らしの中では少し縁遠いもの、でもなんとなく憧れるもの」
というイメージです。
おそらく最後に美術館に行ったのは、5年ほど前にブリューゲルのバベルの塔(ボイマンス美術館所蔵)が日本に来たとき。
教科書で見たことのある絵画で、印象に残っていて見に行ったのですが、
想像以上に鮮烈な赤茶色と、絵具が塗り重ねられたことによりできた奥行き、そして圧倒的な存在感。
画像でみるのと間近で本物をみるのとでは、ここまで違うのか…!!!というあの感動は、今でも忘れられません。
しかしそんな機会でもなければ、アートに触れることもなく、
バベルの塔のポスターは今でも部屋に飾っているのですが、それだけです。
そんな中、数年前から「アート思考」という考え方を耳にします。
それは、芸術家が作品を生み出すときにならった思考法で、
論理的思考やデザイン思考とは異なり「自分自身が感じたこと」を起点に考えを進めていくというもの。
仕事でお世話になっている方から「13歳からのアート思考(末永幸歩、ダイヤモンド社)」という本も紹介してもらい、
31歳からアート思考を始めるぞ!と、とても楽しく読んだのですが、
「自分自身が感じたこと」から発想する力、弱っているなぁ。
率直にそう感じました。
「自分自身が感じたこと」が無いわけではないんです。日々いろいろ感じてはいるんです。
でも、その”声”が小さくなっていて、代わりに「論理的に考えたら、こうすべき」「以前の経験から考えたら、こうすべき」という”声”が、
社会人としての年数が長くなるにつれて大きくなってきている。
自分の中に3人くらいいるイメージです(ここにプラス「周囲はどうしているか」というのもあると思います)。
論理や経験から考えること自体はとても重要なことだと思います。
論理的に考えれば、必然性が生まれるので他者の同意を得やすいだろうし、効率的に動くこともできる。
この先もっと経験が増えれば、それは知見となって、きっと誰かの役に立つ日が来る。
でもそこに「自分自身が感じたこと」を起点にしたアイデアが加われば、もっと可能性が広がると思うのです。
もちろん、その為には「自分の感性を磨き続ける」という、別の努力も必要ですが。
まずは、自分の中の小さな”声”に、もっと耳を澄ませてみる。
そこから始めたいと思います。
ところで、この5月から新入社員2名を迎えまして、私自身も初めて新人育成の立場となりました。
2名とも本ブログには、いま興味のあること・大好きなことをたくさん書いていますが、
これこそ、「自分自身が感じたこと」ですよね。
好きなものがたくさんあるほど人生は楽しいですし、リサーチやマーケティングの仕事にも必ず活きると思うので、
今の気持ちをぜひ大切にしてほしいと心から思っています。
先ほどの図が、新入社員・中堅・ベテランの構図となってしまわないように、
対等に意見を言い合えて、クライアントの皆さまへの提供価値を高めることができる、
2名の加入で更にパワーアップした市場調査社となれるよう、私も新人育成の立場から努めてまいりたいと思います。
(上出)