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大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
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個々の存在について(中野)2019年9月30日 月曜日

ブログやTwitter、掲示板などで、知らない人の生活や体験、意見を見るのが好きで、毎日結構な時間を費やしてしまっている。過去の、現在の自分に似ている人、未来の自分かもしれない人、選択が違えば現在の自分だったかもしれない人。ドラえもんの「もしもボックス」で行ける世界が、部屋にいながらにして実現する。
共感できる人、共感できない人。事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもので、下手な小説やノンフィクションよりもずっと面白い。ゆるやかに世論が変化する様子を見ていると自らが歴史の中にいることが実感できるし、人が悩み成長する姿は、さながら子育ての疑似体験である。

 

今に始まったことではないが、世の中には何者かになりたい人が多い。自らが発信できるにようになったことで、有名になるルートが増え、強みとしてアピールできるものが増えた。Twitterでフォロワーがたくさん欲しい人達に対して、●●をしている(したことのある)×△△といった自己PRをすることを指導している一派があるらしく、営業成績一番を取ったことのあるママとか、田舎に暮らす経理のプロといったプロフィールをよく見る。
掛け合わせることで希少価値を演出するのが目的のようだ。これのよいところは、たまたま経験したことがそのまま強みになることである。就職した会社を3日で辞めたことも、パートナー選びに失敗したかもしれないことも、自らの失態で借金ができたことも、どんな自虐的なことでもアピールポイントになる。
また、「誰でもやろうと思えばできるけれどもやらないこと」を敢えてやることも、何者かになるには手っ取り早い手法だ。会社を辞めて世界一周とか、初心者だけど●●に挑戦といった類のものである。これは後に引けなくなって、危険な行為の結果、自らの命を失う人もいる。何者かになるのも命がけだ。

 

インターネットの世界の歴史は浅く流れは速い。何者かにならなくても、私達の存在が過去からの誰かの行いの結果であるように、私達の存在は嫌でも未来に繋がっている。と思える映画を今年見た。

 

映画『盆唄』予告編

 

100年以上前に福島からハワイに移住した人達の子孫が、現在もハワイで福島の「盆唄」での盆踊りを続けている。震災後、散り散りになった福島県双葉町の人達が、地元の「盆唄」の存続の未来をハワイの人達に託すというドキュメンタリー映画である。ハワイと福島の繋がりを探る過程で、福島の「盆唄」を守っていた人達も、実は稲作指導のために富山からやって来た人達の子孫であることが分かる。
ハワイ移民の人達が苦労して開拓したサトウキビ畑は、今はもうない(2016年に最後のサトウキビ工場が閉鎖され、ハワイの砂糖産業は幕を閉じた)。だからといって、サトウキビ畑を苦労して開拓した人の行為が無駄であったとは言えない。

 

インターネットで見る世界は近視眼的になりがちだが、それに捉わられず、もっと重層的で広いスケールで物事を捉えたいものである。

(中野)

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