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大阪のマーケティングリサーチの専門機関、市場調査社のスタッフブログです。
日常生活でスタッフが感じたことや、弊社のサービスの紹介をしていきます。

“格安スマホ”は普及する!?(今井)2015年12月24日 木曜日

■“格安スマホ”への疑問

私事ですが、先日“格安スマホ”の申し込みをしました。

前々から「毎月安いんだろうな~」とは思いつつ、10年以上同じキャリアを使い続けていたせいか、キャリアを変えることに何となく抵抗があり、ましてや実店舗のない“格安スマホ”となると何となく不安で、なかなか決心できずにいました。

そんな私が重い腰をあげたのは、今月2年縛りの更新月で解約金が発生しないということと、少し前に“格安スマホ”にした妻の利用状況を見ていたことがきっかけでした。

妻の状況を見ていると、使い勝手はこれまでと遜色ないのに価格は1/3以下になるという驚愕の事実。純粋に「なぜもっと普及しないのか?」と、すごく疑問に思ってしまいました。

 

■“格安スマホ”に対する生活者の反応

ちょっと調べてみると…MMD研究所(Mobile Marketing Date Labo)が2015年3月30日に16歳以上の携帯電話(スマホorガラケー)所有(N=1,670)を対象に実施した「格安スマホに関する意識調査※1」によると、携帯電話所有者の9割は“格安スマホ”の名前は知っているのに、サービスの詳しい内容の認知は2割程度、利用者となると約1割に留まっているようです。現状は、名前だけが浸透している得体の知れないサービスに近い状態なのでしょうか?

“格安スマホ”購入予定者(N=318)の購入するにあたっての不安な点をみると「乗り換えがめんどくさそう」「契約がわかりにくそう」「実際に安くなるのかわからない」「サポートが良くなさそう」などが上位にあがり、“格安スマホ”を利用・購入したくない人(N=266)の理由では「今の携帯会社が安心だから」が56.8%と突出して高くなっています。

「既存キャリアに対する安心感」と「得体の知れない“格安スマホ”に対する不安感」は、私含め多くの生活者が感じているようです。“格安スマホ”の普及は、この心理的なギャップを乗り越えないとなかなか進まなさそうです。

 

■浸透するのか!?“格安スマホ”

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これまでの市場になかった革新的な商品・サービスは、右図のような「イノベーター」「アーリーアダプター」といわれる層までは浸透しやすいが、それ以降の市場に浸透させるには、超えなければならない大きな裂け目(キャズム)があると言われています。

キャズムは各層ごとの心理的な違いから発生し、超えるためには「①具体的かつ実利的な目に見える成果」

「②工夫なしに簡単に使えるユーザーインターフェイス」が必要不可欠だそうです。※2

上記の調査結果を見ていると、“格安 スマホ”は今まさに「キャズム」の真っ只中にいるのかなと思わされます。今後さらに普及させるためには、「①実際に安さを体感(目に見える成果)」「②簡 易な手続きや、充実したサポート(工夫なしに簡単に使える)」というような要素から、安心感を醸成させることが必要なのでしょうか?

最近、大手キャリアの長期利用者と新規利用者の不公平感を緩和しようと、国が色々と試行錯誤しているニュースを目にしますが、前述した生活者の“格安スマホ”に対する不安感を払拭できれば(首相が「“格安スマホ”使ってます!解約/申込みも簡単で、毎月の支払も安くなりました!」みたいなことを発言する…とか。笑)市場浸透が進み、自ずと大手キャリアも価格を下げなければならない状況に追い込まれるような気もしてみたり…

今後の“格安スマホ”の浸透がどうなるかはわかりませんが、自分が“格安スマホ”ユーザーになった今、いずれは「キャズム」を超えて市場にしっかり浸透していくことを陰ながら応援しております!

※1:MMD研究所のHPより引用https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1419.html

※2:「ジェフリー・ムーアの「キャズム理論」がわかる本」より引用

社会調査の過半数はゴミ?(安部)2015年7月28日 火曜日

ワイドショーなり雑誌なりを見ていると、アンケート結果がよく掲載されています。
最近はSNSでも多いですね。結果を見たければクリックしてね、というパターン。

曰く
・年収1000万円以上の人の●●割は▲▲をしている!
・実はやめてほしい!上司が良かれと思ってしてしまっているNGなことTOP5!
・実は●割のOLが職場の▲に否定的だった!
などなど。

それぞれ興味深くもあり、その結果も楽しく見られるのではありますが、
それは「読み物」としてに限定される場合も多いです。

『渋谷を歩く若者30人に聞いた結果です!驚くことに最近の若者のマナー意識は・・・』となると、もちろんこの結果を持って日本の若者全体を語ることができないことは明らかです。

これは至極当たり前のことのように思えます。
そもそもこのようなアンケートって「読み物」でしょと、割り切っている方もいるかもしれません。
でも、より公的なデータにおいても、おかしな結果が世の中に出回っている、ということを事例とともに解説しているのが以下の本です。

◆「社会調査」のウソ ― リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書) 
  2000/6 谷岡 一郎   (著) 

社会調査論を専門とする著者は「社会調査の過半数はゴミだ」と言いきります。
そして、具体的にマスコミ報道や研究論文等の事例を上げて、なぜゴミと言うのかを解説しています。
なるほど、権威ある機関から公表されている結果ほど、知らず知らずのうちに盲目的に(前提をあまり考慮せずに)信じ込んでいる自分がいることに気付かされます。

調査結果のバイアス(結果を実態から歪めてしまうもの)として、本著では

・人の記憶の限界
・見せかけの相関
・リサーチ・デザインの問題
・誘導的質問
・サンプリング

などなどが挙げられています。

 いずれも実際のリサーチでも注意しなくてはならない代表的なバイアスですが、社会調査にはさまざまなバイアスが介在する余地がある中で、それを前提として、できるだけ「真実」に迫る工夫と努力を行うもの、ともいえるかと思います。

私の好きな言葉の一つに
「調査結果の真実は“その質問に対して対象者がそのように答えた”ということのみである」というものがあります。
つまりは調査結果は「対象者が過去にそのような行動を行なった」とか、「今そのように感じている」とか、「今後そのような行動をする」という真実とは必ずしも一致しないということです。
ここだけを見ると身も蓋もありませんが、だからこそできるだけバイアスのない結果を入手し、「なぜこの質問にこう答えたのか?」について考察する意義があるとも言えます。

いろいろな情報が氾濫し、簡単に大量サンプルの調査結果にアクセスできる今だからこそ、「調査結果を正しく見る」ことへの意識は強めて行く必要があると思います。
(と言いながらも、根も葉もない占いなんかにも影響を受けてしまう自分が不思議なのですが!)

(安部)

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